Girl Meets Devil 〜そのV〜-4
「や、やめてください!コイツには厳重に注意しますから!」
何とかしようと無我夢中で気付いたら葛城先輩を羽飼締にしていた。
「うわっ!ち、ちょっとやめてくれ!落ちるから!!」
「えっ…うわわわわ!」
気付いたときには遅かった…
私は壁を淵に手をかけている状態でギリギリ校舎にぶら下がっている。
葛城先輩は何とか踏み止どまった様だ。
だが、それも長くは保たなかった。
ダメだ…もう限界……
そう思ったときには私の腕は校舎から離れていた……
「茜ぇ!」
朧気に恭夜の声が聞こえる。
ああ…私、死んじゃうのかな…
悔いは沢山あるけど、最近は結構楽しかったかも………
しかし、私の身体は不意に空中で急停止した。
よく見ると、恭夜が私の腕を掴んでいる。
「…恭…夜……」
流石は悪魔と言ったところか、私の身体を片手一本で支え、尚且つ引き上げるようとする。
そして、そのまま一気に引き上げられ、恭夜に抱き留められる格好になった。
自分の鼓動が急速に早まっているのがわかる。さっき落ちそうになったせいか、それとも今の状況のためかは分からないけど………
「ごめんなさい……」
それが最初に出た言葉だった。
恭夜の胸に顔を埋めたまま、絞り出す様にして謝る。
「ごめんなさい…ごめ…ひっく……ごめんなさい……」
助かったいう安堵と結果として迷惑をかけてしまったという罪悪感で頬を涙が伝う。
「もういい、泣くな。俺は怒ってなどいない。」
穏やかで温かい言葉…
その悪魔らしくない言葉に声にならない泣き声を上げる。
心の中でごめんなさいとありがとうを何度も、何度も繰り返し言いながら……
「本当にすまなかった…」
葛城先輩は何度もそう言って頭を下げてくれた。