Girl Meets Devil 〜そのV〜-3
「お前も分からんか…仕方ない、行くぞ!」
「行くぞって、私は関係無いじゃない!」
「気になるんだろ?だったら、来い。」
「うわっ!ち、ちょっと待って!」
私は腕を掴まれ、半ば引きずられる様に連れていかれる。
「よく来てくれた。部外者もいるようだが、まあよい。何故呼ばれたか分かっているのだろう神道恭夜。」
葛城生徒会長は凛とした口調で話しかけてきた。
「すまんが何のことだか、さっぱり分からん。」
「隠しても無駄だ。お前、人ではないな?」
「…!」
驚いたのは恭夜ではなく、私。
明らかに動揺している私に対して恭夜は顔色一つ変えない。
「俺に気付いたということは、お前はエクソシストか。」
「その名は言いにくいし、好かんから、退魔師と呼んでくれ。」
「ち、ちょっと待って!わけ分かんないだけど…」
「コイツはエクソシスト―じゃなかった、退魔師。我々悪魔の天敵だ。お前も映画で見たことないか?」
知らないわけじゃないんだけど、本当にいると思ってなかったから。
「そ、それより、葛城生徒会長。コイツはムカツク奴ですけど、悪いことはしていないと思いますよ!多分…」
「君は柊茜さんだね?」
「な、何で私の名前を?」
「君も悪魔かと思い、少し調べさせてもらった。」
「プライバシーの侵害じゃないのか?」
恭夜がどうでもいいツッコミをいれる。
「人聞きの悪い。職権の濫用だ。」
それもダメでしょう…
「それより、コイツに何の用だったんですか?」
「おぉ!そうだった。神道恭夜…いやルシファーよ。お前を滅ぼしてくれる!」
そう言って朱色のバットを恭夜に突き付ける。
……はあっ?これラブコメだよね?決してアクションとかじゃないよね?
「断る。それに俺は何にもしていないが?」
「多くの女生徒を誑かしていただろう!この学園は私が守る!」
「それは向こうが勝手に騒いでいることだ。」
「問答無用!加害者は皆そう言うんだ、覚悟!」
そう言って、バットを振り上げ、恭夜目掛けて一気に振り下ろす。
「バットはそう使うものじゃないぞ。」
そう呟いて、バットを軽々と受け止める。が…
「くっ……」
何が起こったのか、全く分からないかった。
軽々とバットを受け止めたはずの恭夜は苦痛に顔を歪め、瞬時に後ろへと下がり間合いをとっている。
その手からは白い煙が立ち上ぼっている。
「油断したな。どうだ我が退魔具『魔墜』は?特別に聖水で育てられた木から作ってあるから悪魔にはキツいはずだが?」
「なかなかだ…」
「まあいい…終わりしよう。」
やばい!何かよく分かんないけど、恭夜は腕を痛めてるし、今葛城生徒会長は壁際に追い詰め、松井…じゃなかった、魔墜を高々と振り上げている!