リアル・コトリ-2
「五千円。」
金取るのかよ!
さっさとコピーして、寄越せ!。
あっ!オレのPC,DVDドライブぶっ壊れてるから、VFフォーマットにしてね。
中学時代からの同級生。
完全社会不適合者のニート君。
クラスでターゲットにされ、いつもグシグシ泣いてるのを見かねて、道場に誘った。
三ヶ月しか、もたなかったけど、それからというもの、ちょっとだけオレに心を開くように。
大学まで行って、就職した途端に五月病。
すぐさま戦線離脱。
未だに、引き籠もってる。
それでも、ネットの株で儲けたらしくて、取りあえずひとり暮らし。
意外と豪華なマンション生活。
噂じゃ、洒落にならんくらい儲けたとか。
オレにも、少し寄越せ!
マンション暮らしを始めてから、すぐに増え始めたリアルドール。
それも、あからさまに趣味がわかるサイズ。
おまけに、所狭しと並べられた美少女フィギュアの数々。
お前、おっかさんが、泣いてるぞ……。
もしかしたらと、思って来てみたら、やっぱり持ってた。
それも、チョー強烈なヤツ。
「他にもあるけど、見る?」
なんだ、その得意そうな顔は!?
お前、人として失格だぞ!
絶対にコイツを非難できないオレ……。
コトリちゃんと遊ぶようになってから、日に日に思うようになったのは、「いつになったら出来るんだ?」
こればっかり。
取りあえず、女は知ってたけれど、全然形が違いやがる。
今までのは、グチャグチャのドロドロで、ちょっとぐらい無茶しても大丈夫、ってのばっかりだったが、コトリちゃんのは、まさしくビーナスの丘。
神が、創られた偉大な創造物。
すぐに壊れそ。
まったく経験がないだけに(当たり前だが……)どこまで無茶が出来るか、わかりもしない。
で、ネットあたりで探してみたけど、どこまで真実なんだか……。
そんなときに思い出したのがコイツ。
年に数回くらいしか会わないヤツだが、超ド級のマニアのコイツなら有力な情報が得られるかも。
早速、差し入れもって遊びに。
意図を気付かれないように、さりげなく話しを振ってみた。
一応好青年なんで、露骨には、ちょっと……