ポッキー-3
道場からアパートまでの距離は、車で10分くらい。
アパートに着くと、コトリちゃんのお母さんの車は……ない♪
「遅くなったときは、申し訳ありませんけど、これで、何か食べさせてやってください。」
お母さんが、オレの手に握らせようとした、一万円札。
そんなもの頂くわけには、いかない。
オレは、コトリちゃんの師匠。
面倒をみるのは、当たり前。
それに……。
お宅のお嬢さんに食べさせる前に、オレがコトリちゃんを食べちゃいますから♪
途中、コンビニに寄って、適当なものを買っておいた。
「チョコレート。」
お腹、膨らまないでしょ?
「チョコレート!」
虫歯になるよ。
「チョコレート!!!」
…………………………
そんなに好きなわけ?
また、ろくでもないことを思いついた。
「ポッキーなら買ってあげる。」
コトリちゃん、渋々承諾。
クラッシュポッキーは、やめときなさい。
普通のにして。
後で、君が泣くことになるから。
おにぎり数個と、チョコレートポッキー入りの袋をぶら下げて、愛の巣に帰宅。