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劇場版 Chocolate Time 第7話 赤い薔薇の秘密
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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赤い薔薇の秘密-4



 その日の午後、春菜が昼食の片付けをしている時、背中に健太郎の声が届いた。
「ちょっと出かけてくるよ、ルナ」
「うん。気をつけてね」春菜はどこへ行くとも何をしに行くとも訊かずに、食器を洗う手を休めたまま、彼の背中を見送った。

 健太郎が通りに出たところで、春菜はそっと店を出た。それを見て建物の陰に潜んでいた修平が姿を現した。彼はワイシャツから地味なTシャツに着替えていた。
「よし。つけよう、春菜」
「うん」

 春菜と修平は、先を歩く健太郎に気づかれないように跡をつけた。

 健太郎は繁華街の花屋に立ち寄り、薔薇の花束を買った。それは全て血のように赤い花びらをした薔薇だった。
「……」修平は自販機の陰に隠れたまま、少し震えながら厳しい目で健太郎の背中を睨みつけていた。


 たどり着いたのは、修平の家の前だった。
「え?」春菜が小さく呟いた。
「やっぱりか……」修平も独り言を言った。
「ど、どういうことなの?」鋭い眼を修平に向けた春菜が言った。「天道くんの家……、いったい……」
「春菜、俺について来い。くれぐれも気づかれないようにな」
「……」

 修平と春菜は家の裏手に回り、裏口をそっと開けて中に入った。そして壁の陰から中の様子をうかがった。

「ケ、ケンちゃん」極端に短いショートパンツにTシャツ姿の夏輝は、やってきた健太郎にほほえみかけた。
「な、夏輝」健太郎は不自然な程赤い顔をして、手に持っていた薔薇の花束を差し出した。
「いつもありがとう。嬉しい」
「夏輝っ!」健太郎は不意に夏輝を抱きしめた。夏輝が持っていた薔薇の花束が床に落ちた。

 健太郎はその口で夏輝の口を塞ぎ、左手で彼女の胸を荒々しくさすった。
「んんん……」夏輝は呻いた。

 健太郎が口を離すと、夏輝は息を弾ませながら言った。「いつものように、いっしょにシャワー浴びようよ」
「そ、そうだね……」健太郎は赤くなったまま夏輝に手を引かれてバスルームに入っていった。


「どうやら、」修平が声を殺して春菜に言った。「ケンタの浮気相手ってのは、夏輝らしいな」
「そ、そんな……」春菜は血の気の引いた顔をこわばらせた。
「水曜日、毎週のように夏輝も仕事休んでたのか……」
 修平は小さく歯ぎしりをした。
「二階に上がろう、春菜。浮気現場を押さえるんだ」
「え? 二階に?」
「二人が俺たちの寝室でコトに及ぶことはねえよ。おそらくリビング」
「リビング?」
「そうだ。さすがに俺たちの寝室でそんなことやったら足が付く。俺にバレないようにするのなら、現場は十中八九リビングだ」
 修平はそう言って春菜と一緒に足音をたてないように気をつけながら階段を上り、二階の寝室の前にやって来た。そして吹き抜けになったリビングが見渡せる位置に移動して身を潜めた。「ここからならよく見えるだろ? たぶん気づかれねえよ。ここなら」
「そ、そう……」春菜も泣きそうな顔で修平の隣に屈み込んだ。


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