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淫乱ヒロイン2!【O−CLUB】の後継者
【SF 官能小説】

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ミヤコの願い-6

「ふうっ、心配させるんだから…」

立ちっぱなしだったケイコは、腰が抜けたように、椅子に尻を下ろした。

そこへ、実験室の集音マイクが拾った戸惑い声が、スタッフルームのスピーカーから流れた。

「ないわ、どこにも見当たらない…」

実験室の中央でキョロキョロするミヤコが見えた。

「いえ、あるはずです。位置を確認するので、ちょっと待って下さい」

暑くないのに汗をかいたスタッフが答え、もう一度データの数値を目で追いかけた。

「あっ!Z値を見落としてました。タイムホールのZ値が標高46.123m、実験室の床の高さが、標高43.000mですから、床から3.1mで、ミヤコさんたちの頭の上です!」

目線のより下ばかり見ていたミヤコ、マミ、ハルマの3人が一斉に上を向いた。

「あったー!」

3人が同時に指差す空間に、直径15cmの西暦2001年8月1日、日本時間午後1時1分48秒の夏空が広がっていた。

少し、見る角度を変えると、緑に萌える広葉樹と、夏の太陽で力を得た入道雲が見えた。

満面の笑みを浮かべた3人は同時に目線を下げた。お互いのその表情を見て更に喜びが沸き上がった。

「やったー!」

3人は抱き合って喜びを現した。

形成されたタイムホールが、地面に対して水平にできていたため、横からの視線に写らなかったのだ。

その後、次々に実験室に入ってきたスタッフが、ミヤコが抱きついてくるのを対応しながら、高揚した顔でデータの収集にあたった。

タイムホール形成から5分が経過し、耐久性のことを考慮して次元転移装置の負荷を与えないように電源が落とされた。

喜びの潮が引いたときに、ある問題点が浮上した。それはタイムホールが、なぜ床から3.1mの高さで、水平に出現したかということだ。

天才的飛び級の2人を交えて検証した結果、どうやら半径5kmの平均地盤面が影響することがわかった。

地球の表面上を被った磁場が影響し、タイムホールを少し持ち上げてしまう現象が起こっていたのだ。タイムホールが水平になることも、下から面の力で持ち上げたことで起こっていた。

「こんな感じね。垂直に立たないでしょ」

マミは手のひらの上に1000円玉のコインを乗せて、2、3度ポンポンと跳ねさせた。

仮にタイムホールを垂直に出現させようとすると、半径5kmの地盤を垂直にしなければならないということだ。

「あと、わかったことは、出現したタイムホールの方向性は同一方向ってこと」

「どういう意味なの?」

マミの説明に、さっきと打って変わったミヤコが怪訝な表面で聞き返した。

「こちらからは、見上げる形で出現してるから、向こうは見下ろさないとタイムホールが見えないのよ」

身軽なマミが用意された脚立に乗って、出現したタイムホールを上から見下ろしたが、上からはタイムホールの存在は見えず、実験室の床が見えていた。

「だから、過去に出現するタイムホールは、普通に立ってる状態だと、その存在を知ることはできないってことなの」

ミヤコの表面がまた少し雲ってきた。


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