継承させるべき意思-1
【継承させるべき意思】
「マミちゃんもケイコちゃんも凄くよかったわよ」
マミとケイコのイき様を見守っていたミヤコが、感極まった声を2人にかけた。
しかし、ケイコは不満げだった。
「おかあさん、アレってなによ。吃驚して直ぐにイッちゃったじゃないのよお。マミちゃんともっと楽しもうと思ってたのに」
「うふふ、でも気持ちよかったんでしょ」
「まあ、確かに…」
認めざるを得なかった。
「あ、あたしのオナニーどうだった?ミヤコおばあちゃんも興奮した?」
マミが荒い呼吸を整えながら上気した顔で聞いた。ミヤコから認められることはステータスであり、それは血を引くマミでも同じだった。
「もちろんよ。もうビチョビチョになってるわよ。ほら」
さすがにケイコのようにスカートを捲りはしなかったが、ミヤコは自分の状態を示すために、ワンピースから覗く足を指差した。スカートの裾から見える足には内ももから足首まで淫らな愛液が伝っているのが見えた。
「せっかく曾孫が頑張ってくれたから、今日はあたしもみんなに見せようかな」
ミヤコのさりげなく言った言葉をマイクが拾った。もちろん、ミヤコは2人の早イキで、研究員たちが満足していないとわかった上でのことだった。
一線を退いたミヤコの淫らな姿を観る機会は一般的に殆どない。最近ではミヤコが撮った映画のメイキング映像で、遠目にチラリと見える程度だった。その画像も破壊されてもう観ることは叶わない。研究員たちは生きた伝説のミヤコの言葉を聞いて沸き上がった。
「コンドウさん、準備はいいかしら?」
ミヤコに名指しされた撮影スタッフのコンドウは、ビクッと身をすくめた。ミヤコに名前を覚えて貰えるのは光栄だったが、この撮影に失敗したら、マイクを通して名前が知られた自分は研究員たちに殺される。緊張したコンドウはカクカクと頷いた。
コンドウが構え直したカメラの前に立ったミヤコは、そのカメラ越しに研究員たちの熱い視線を確かに感じた。
「あぁ…(見られてるわ)」
久し振りのその感覚に、ミヤコは恥ずかしげにうつむき頬を染めた。
「ミヤコおばあちゃん、可愛い…」
見惚れたマミがポツリとつぶやいた。
少し俯き加減のミヤコは着ていたワンピースの肩にそっと触れた。するとそのワンピースはハラリと床に落ちてミヤコの肢体を一瞬で晒した。これは夜の営み用にワンタッチで脱げる【O−CLUB】の人気の製品だった。利用者の主な用途として、専ら露出撮影時に使われることが多い。開発者のミヤコ自身が一番その機能を有する製品を利用していた。
目の前に瑞々しい肌が表れて、カメラを持つコンドウの息を飲む音がマイクに拾われた。
「嬉しい…コンドウさんも興奮してくれてるのね…、あなたも我慢せずにしてね…」
「は、はひぃ…」
コンドウは声にならない返事を漏らし、カメラ片手に持ち替えると、スラックスをずらして自身の肉棒を握り締めた。