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幼肉の宴
【ロリ 官能小説】

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歪曲-15


「この子はもう、僕たちのことも知っているんだろう?」

その杉崎が口を開いた。
視線は、チカに向けられていた。

「うん」

チカが、ほんの少しだけ悲しそうな顔になった。

「じゃあ、いい機会だから、この子にも僕たちの家族の触れあいを少し見せてあげよう」

「え!?」

「何も驚くことはないだろう。どうせわかることだし、それに……」

杉崎の射貫くような目がチカに向けられた。

「どうせチカは、僕のことも全部しゃべってしまったんだろう?」

さもありなんといった顔になっていた。

「ミナちゃん、といったね」

杉崎は、静かに立ち上がった。

「この子が君に何をいったのかは、わからないけれど、すべてを信じてはだめだよ」

え?……。

「この子は、母親に似て昔から嘘をつくのが得意なんだ」

ゆっくりと杉崎は、ミナ達のほうへと近づいてきた。

「この子の母親はひどい淫乱でね、僕も若い頃から、それはもう、ずっと苦労させられたものさ。嘘ばかりついて、色々な男をこの家に引っ張り込んで、本当にひどい有り様だったんだ」

杉崎が、チカの目の前に立った。
冷たい瞳で見おろしていた。

「このチカが、そんな母親の血を色濃く受け継いでしまうのは当然のことだった。僕にはわかりすぎるほどわかっていたんだ。だから、母親を追い出して、僕は早いうちからこの子の躾をはじめたんだ」

チカは、膝をついたまま顔をうつむかせていた。
ミナの目からも、震えているのがはっきりとわかる。

「躾というものは、家庭それぞれで違うものでね、愛情をたっぷりと注いで育てることもあれば、鬼のごとく厳しく躾けて育てていくこともある」

杉崎の手のひらが、チカの頭の上に置かれる。
冷たい眼差しを向けたまま、杉崎はチカの頭をじっくりと撫でた。

「僕がチカの躾で重きを置いたのは、貞操の大事さだ。それは当然のことだった。母親のような淫乱にはしたくなかったからね。それはもう早いうちから丁寧に教え込んだものだよ」

杉崎はうっすらと笑っているようだった。
顔をうつむかせるチカの細い肩が、はっきりと震えている。

「おかげでチカは、いまだに奇妙な男を連れてくることもなければ、くだらない知識を与えるバカな女友達を連れてきたこともない」

頭を撫でていた杉崎の手のひらが、チカの髪を握った。

「だから、今日は驚いたよ。まさかチカが友達を連れてくるなんて思わなかったから。もしかしたら、僕の躾は失敗してしまったんじゃないかと疑ってさえしまった」

杉崎の声は、笑っているようだった。
手のひらに握った髪をつかんだまま、チカをゆっくりと立たせた。

「でも、チカから話を聞いて安心したよ。やっぱり僕の躾は間違ってなかったと確信することができた。だってそうだろう?君のような素敵な女の子を、しかも、同族の兄まで持っている美少女を我が家に連れてきたんだ。さすがに僕の娘だと思って、嬉しかったよ」

自分の声に酔っているような表情になっていた。
杉崎の目はチカではなく、どこかわからないところに向けられていた。
目の焦点が合っていなかった。

「パパ、ミナには手を出さないで……」

様子の豹変した父親の態度をみて、不安になったのかチカが震える声でいった。
途端に、乾いた破裂音がした。
杉崎の手が、チカの頬を打ったのだ。

「チカ、パパはまだお話の途中だ。話しを遮るような不躾な真似はするんじゃない」

憐愍の情など微塵もないような冷徹な声だった。

「ご、ごめんなさい」

チカは、打たれた頬を手のひらでかばいながら、うつむいた。

「こういったところが、まだ僕の至らないところなんだろうね。大事な娘の躾が完全にできてない」

杉崎は自嘲気味に笑った。

「しかし、そういったことで苦労している家庭というのは意外と多くてね、僕には彼らの並々ならぬ苦労がわかるから見捨てておけないんだ」

チカの髪を握る杉崎の手が放された。
杉崎は、両手を広げると、涙をこぼしながらうつむくチカをそっと腕の中に包んでいった。

「父親にとって娘というのは、いつまでたってもかけがえのないものなんだよ。自分の命なんかより、ずっと大事な宝物なんだ。だから、そんな大事なものを自分の手の中に閉じこめておきたいと願うのは父親ならば、当たり前のことなんだよ」

ミナには、杉崎が何をいわんとしているのか、わからなかった。
脅えた瞳で見つめていた。
あの気の強いチカが、杉崎の腕の中で肩を震わせながら泣いていた。
それは、目の前の男が、チカの絶対的な支配者であることを、ミナに悟らせた。

「でも、閉じこめるといっても相手は生きている人間だ。手足があり、感情があり、自由がある。ならば、どうやって閉じこめてしまおうか?簡単なことだよ。愛情を増やすんだ。親子だけじゃない、父親と娘だけじゃない、男と女の愛情をふたりのあいだに足してあげるんだ。」


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