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あぁ...いやらしぃ 好色OL・絵美
【OL/お姉さん 官能小説】

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フレンチ・キス-2

 入院中であるにも関わらず仕事を押し付けられてしまった。
(俺もラーメン嫌いじゃないし、まあいっか)
 元々この仕事が好きな僕にとって、病院にまで仕事を持ち込まれてもさほどストレスにはならない。編集長と同じくラーメン好きな慶一郎としては、ネタ的にもウエルカムだった。
(そうだ、これ使って絵美ちゃんが退院した後の約束を取り付けちゃおうかな・・・って、俺かなり彼女を意識してる!?昨日初めて会ったばかりなのに、何だろうこの感覚は、今までの彼女たちには無いほんわかした気持ちになってるんだよねぇ)
 そうこうしていると約束の時間が迫って来た。ワクワク、ドキドキした気分で松葉杖を手に取り、約束の売店に向かって歩き出した。

 約束の売店に向かう絵美の足取り(松葉杖取り)は重かった。昨日見たあの場面(慶一郎とメグ)が何度も頭の中に浮かんでくる。
 浩也に振られた絵美にとって、連日のワンツーパンチは堪える。
(自分から切り出した方がいいよね。変に期待持っても辛くなるのは自分だし。まだあって1日だからダメージも大きくないしね)
 そう自分に言い聞かせた。

 僕が売店に着くと、既に絵美は来ていた。
 絵美の顔を見ると、顔が緩んだのが自分でもわかった。
「おはよう」
 二人同時に声を掛けたが、僕の弾んだ声とは反対に、絵美の声は少し遠慮がちだった。
 ウキウキ気分の僕はそんなことには全く気付かず、絵美をカフェへと促した。
「綺麗な彼女さんですね」
 トボトボと歩く絵美がポツリと言った。
「へ!?」
 僕にとっては予期せぬ一言だった。
「見ちゃったんです。昨日、彼女さんと仲良く歩いているところ・・・」
 ようやく僕は状況を理解した。昨日のメグ訪問の時のことだ。どこかのタイミングで絵美に見られていたようだ。
(ああ、なんてこった。タイミング悪いなぁ〜、これもメグの呪いかよ。まてよ、まさかオッパイ丸出しのシーンとか見られてないよな!?)
「売店の前を笑顔で・・・」
(良かった。オッパイの件は見られていない)
「ああ、あれね。彼女は仕事仲間だよ。メグさんって言うんだけど、デザイナーっていうかディレクターっていうか」
 咄嗟に出た嘘だった。
「え!?彼女じゃないんですか?」
 談笑している二人の姿を見掛け、彼女が見舞いに来たのだと勘違いしているようだ。
「仕事のこととか色々と話そうと思ってたんだけど、俺、地元の情報誌の会社に勤めててさ・・・」
 僕は、自分の更なる自己紹介を含め身の回りのことをザックリと説明した。

「まあ、話し出すと長くなるから、お茶でも飲みながら話さない?」
 キリのいい所で、絵美をカフェに促すと、「うん」少し明るい声で絵美も答えた。
(ふう、危ない危ない。ホントにいつどこで誰が見てっかわかんねえもんだな。もし、メグとの決定的な場面でも見られていたら、この棚ぼたみたいなチャンスをみすみすフイにするところだったぜ)

 喫茶コーナーで、カフェオレを二つ頼み、陽当たりの良いテラスデッキ側の席を確保した。
 このカフェスペースは、なかなかの人気で、休日はもちろん、平日の午後などでも席が埋まっていることが多い。
「これ、メグさんが持って来たんだ」
 瀬田が持って来たラーメン特集のラフデザインをテーブルに置いた。
「編集長、あ、俺の上司ね。それが入院中にも関わらず、仕事をさせる酷い人でね」
 ラフデザインを持って来た経緯を説明した。本当は瀬田が持って来たものだが、メグが持って来たことにし、更にメグが仕事仲間だと再度念を押した。
 メグとは、仕事上だけではなく友人としても良い関係を築き上げていることも付け加えた。当然のことながら、実際の関係である「セフレ」なんてことはおくびにも出さず・・・
(編集長のゴリ押しがこんな形で役に立つなんて、思ってもいなかったな)
 メグとの関係を隠し、ラフデザインを使っていかにもありそうなシチュエーションを作り上げ、結果的に絵美を騙すことに罪悪感を抱きながらも、「嘘も方便」と自分に言い聞かせた。

「そうだったんですね。ゴメンナサイ」
 絵美は安堵の気持ちとともに、疑っていたことを詫びた。
「全然、謝る事なんてないよ」
 相手に好意を持っている時は、何かと疑い深くなり、自分で勝手に悪い方悪い方へと考えてしまうことがあるということを僕は身を持って知っている。
「知り合ったばかりで信じてもらえないかもしれないけれど、なんていうか、志村さんのことが気になっちゃってるんだよね」
 これは本当に素直な気持ちだった。僕自身も、まさかこんなタイミングで告白とも受け取れる言葉を口に出すとは思ってもいなかった。焦っていたわけでもないが、メグのことに触れられたので、多少なりともパニクっていたのかもしれない。
 それでも、出会って一日しか経っていないのに軽すぎやしないかと若干の後悔の念も湧き上がって来た。
 と、その時。
「よ、よろしくお願いします」
 絵美が緊張した口調でそう告げ、ペコリと頭を下げた。
 事実上のカップル成立である。
 二人は互いに驚いた顔で、相手の目を見つめた。

 絵美もどうしてそんな言葉が出てしまったのか、自分でも驚いていた。
 絵美自身も前の晩から葛藤していたのだ。
 慶一郎への想いは、まだ「気になるレベル」である。しかしそれは浩也との思い出と、未練を断ち切るための「手段」なのかもしれない。もし自分の気持ちがそんな打算的なものだったら本当に嫌な女だとため息も出てくる。
 でも、慶一郎が女性と歩いている所を目撃し、嫉妬してしまった自分もいる。そんな逡巡が朝方まで続いていた。
 そして、今日再び慶一郎に会って、自分の鼓動の高鳴りが後者であることをあらためて認識した。そこに慶一郎からの告白的一言。
 答えは「YES」しかなかった。


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