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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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巴のラブラブ大作戦U-7

「はぁー、さっぱり♪」

お風呂上りというものはどうしてこうも生まれ変わったような気分にさせるのだろうか。

今回の一件で私は重くうっとおしい荷物が消え去った気分を味わった。ずっと悩み苦しんできた悩みが解決するというのはとっても幸せな事だと思う。

「ん?」

不意にケータイに目をやると、ランプが。開くと着信あり…となっていて。相手は佐伯君
だった、そういや水族館で尾行してる時着信音がなって「ばきゃ野郎!被疑者に気づかれるだろっ」って巴ちゃんにもの凄く怒鳴られて、電源を切ったっけ。

私は何の気になしに電話をする。

「もしもし…、佐伯君?」
「…柊さん、今、大丈夫?」
「うん、大丈夫よ。」
「……。」

佐伯君?どうしたんだ。

「どう、したの?何かあった?」
「気づいてないの?」
「え、何が…。」
「……。」

この時自分が恐ろしい程に鈍感で彼を傷つけた事に全く気付かずにいた。

「そういや今日さぁー、良い事があったの。」
「うん?何…。」
「風馬君にね、彼女が出来たんだって!」
「へぇー。」
「と言ってもまだその子が一方的に片想いなだけなんだけどね、今日ね、巴ちゃんの陰謀いや提案で風馬君とその子と水族館に行くよう促したの。」
「……。」
「でもねっ!風馬君ったら最初はまるで無頓着で、彼女が折角盛り上げようとしてるのに
彼、大した反応を示さなかったの。」
「まぁ、アイツだから。」
「そうなの!けど後で風馬君の方から彼女に親切して、私とっても安心したよ。」
「…。」
「やっぱ風馬君は私が思った人だったよ。あんな事があったけど風馬君は風馬君だったよ
優しくておっとりとした私の大事な幼馴染だよっ!」
「7回。」
「えっ?」
「さっきから風馬君風馬君って、何だよ。」
「…だって、あの彼がだよっ?例の一件があって凄く落ち込んで一時は自殺しちゃうんじゃないかって心配で心配で…、それがあんなに元気になって。」
「まさか大事な用って…。」
「そうなの!巴ちゃんと色々と考えて、はー良かった、これから彼の行く先が楽しみだな
そーだぁ今度美術部に行ってみようと思うの!良かったら佐伯君も…。」

             「いい加減にしろよっ!!」

!!

電話越しからとてつもない怒号が…、え、何?

「さ、佐伯…君?」
「何だよ最近、風馬君風馬君って!」
「…だって、彼の事が。」
「アンタの彼氏って誰だっ?」
「え?何言ってるの、そりゃー佐伯君でしょ?」
「本当はソイツなんじゃねーの?」
「ソイツって風馬君の事?駄目だよーそんな言い方しちゃ。」
「…本当はさっ、付き合ってるんじゃねーの?アイツと。」
「!?何言ってるのっ!そんな訳ないよ!」
「じゃー何でっ!」
「それはぁ!彼の事が心配で。」
「俺よりもかっ!?」
「そんな事ないよー、今回の件はねっ、皆の為でもあるんだよ?風馬君がその子と付き合えば彼は完全に私を諦めてくれる、そうなればその子も嬉しいし何よりも風馬君が立ち直ってくれて。」
「そうか。でもそれって君が態々行く事か?」
「まぁ、巴ちゃんと見に行ったよ、探偵みたいにねっ尾行してさ、中々面白かったの。」
「そんなのっ!いちいち様子を見に行く必要何てないだろっ、巴に任せて。」
「一人で行かせたら可哀想でしょ!それに心配でしょ。」
「だから何で態々尾行までする必要があるんだ!?人の誘いを軽く無視しやがって何が
探偵ごっこよ!馬鹿かお前ら…。」
「何それ…。別に貴方の事は嫌いじゃないのよ?それなのに何?そんな事よりも自分を
優先してくれって…。」
「アンタの彼氏は俺だろっ!」
「信じられない…。」
「え…。」
「佐伯君ならそういう所、分かってくれてると思ってたのに、そんな子供みたいに自分勝手だ何て知らなかったっ!」
「……。」
「暫く、話しかけないで…、じゃ!」

私は強引に電話を切った。

まさか佐伯君があんな怒号を私に、というかなんで?折角風馬君の件が解決したのに。


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