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あぁ...いやらしぃ 好色OL・絵美
【OL/お姉さん 官能小説】

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非常識な男-2

 そんな機械仕掛けのロボットのような浩也のことを好きになった絵美。それは、何気ない彼の一言だった。
 休憩室でたまたま一緒になった時、缶ジュースをこぼしてしまったことがあった。手近に拭き取る物がなく慌てふためいていると、
「これ使ってください」
 と、ブランド物のタオルを差し出してくれた。
「いいよぉ、これ高いんでしょ。汚すわけにはいかないよ」
 絵美は浩也の申し出を固辞したが、
「服が汚れちゃいますよ」
 そう言って、サッとこぼれたジュースを拭き取ってくれた。
「ありがとう」
「いえ、気にしないでください」
 絵美の礼にも表情一つ変えず涼しい顔で答えた。

 休憩室での一件以来、絵美は浩也のことを意識するようになった。既にその時点でも、浩也は変わった人間だという評判になっていたので、仕事は別だがプライベート、例えば一緒に飲みに行く、食事に誘うなど彼に声を掛ける人間は誰もいなくなっていた。
 でも、絵美は彼の素朴な優しさに惹かれ始め、何とか話をするキッカケを探っていた。
 絵美は、元々自分たちの付き合いをオープンにして付き合うことが苦手だった。更に、浩也のあの性格である。何となく周囲にバレたくないという気持ちが強かったので、できるだけ隠密裏に行動することを心掛けた。
 まずはオーソドックスに食事に誘ってみる。
 最寄りのバス停で待ち伏せ、あたかも偶然同じバスに乗り合わせたかのように彼に声を掛けた。
「家で母が食事を用意していますので」
 素っ気無く断られた。
 次の手段は、物で釣ってみた。休憩室に入るタイミングを見計らい、お菓子を差し出した。
「ありがとうございます。でも、けっこうです」
 にべもなく断られた。
 仕方が無いので、ベタすぎるかとも思ったけれど、色仕掛けで誘うことにした。
 胸元の開いたブラウスで、谷間を見せつける作戦にした。昨今の若い娘たちは、巨乳がデフォルトとなっているかのように発達が素晴らしい。貧乳が希少価値となってきているのが現状と言ってもいいだろう。
 そんな娘たちと比べるのはおこがましいが、絵美も一応はEカップサイズである。見た目はさほど大きく見えないけれど、実は意外とボリュームがある。普段着や制服などを着ていても、どちらかと言えば貧乳扱いされることが多いくらいだ。
 一緒に温泉に行く中である由紀恵も、初めて絵美の裸を見た時、
「うわっ、何それ、そんなにデカかったの?」
 と、驚いていたほどだ。
 当日は、わざわざ胸が強調されるタイプのブラを選び、その谷間で誘惑しようと考えた。

 浩也の帰社時間は毎日ほぼ一緒だ。金庫全体の方針で、残業は極力控えるよう本部から通達が出ている。それでも仕事量からその通達を遵守することはかなり困難であり、ある程度の残業は必須ではある。
 しかし、そこは効率な動きと持ち前の明晰な頭脳から、浩也はほとんど残業をすることがない。更に、上司や同僚の目なんか一切気にしない性格もあって、早く帰ることには何の抵抗も無い。
 その分、絵美は待ち伏せをしやすかった。バス停の近くで待っていると、5分もしないうちに浩也が現れ、いつものようにバス停に並んだ。読み通りだ。
 さりげなく浩也の後ろに並ぶ。
「あら蓬田くん、お疲れさま」
 わざとらしいかなとも思ったけれど、そういう部分には全く無頓着な浩也は、
「お疲れさまです」
 と言っただけで、絵美にはこれっぽっちの興味も示さない。
 だが、絵美もこれは想定通りだった。一筋縄ではいかないことは十分理解している。そのために、2段3段と浩也攻略を練ってきたのだ。
休憩室などで一緒になった時は、出来るだけ浩也の情報を集めようと、ウザがられない程度に地道に地道に彼の性質を分析した。
 その結果、無趣味のように見える浩也にも興味を持っている分野があった。なんとそれはドラえもんだった。幼稚なように思えるが、恐らく抑圧された彼の生活の中で、あの秘密道具は自由の象徴と思っているのかもしれない。もちろん彼にそのような自覚があるわけではないが、おそらく心の奥底にはそのような感情があるのだと思う。
 やっぱり浩也も人間なのだ。少々ぎこちない生き方で、常識人ではないかもしれないが、ヒューマニズムの欠片は存在するんだ。
 それを知った時、絵美はより一層浩也のことを思うようになっていた。

「あ、そうだ。ねえ蓬田くんってドラえもんが好きみたいなこと言ってたよねぇ」
「ええ、よく憶えてますね」
「わたしの友達の子供がもうすぐ保育園なんだけど、今ドラえもんにハマってるんだって。この間会った時に、プレゼントとをしてあげようと思って買っておいたんだけど、カぶっちゃって。まさか、小さい子がスマホ使うとは思ってなかったんだけどねぇ。ママが使ってたんだよねぇ。そこまでは読めなかったな」
 そう言って、ブラからはち切れそうにしているハミ乳を見せつけるように、胸の前にドラえもんドコデモドアスマホケースを取り出した。
 浩也は最初こそ、スマホケースに目をやっていたが、そのうち何度か絵美の胸をチラ見したことを見逃さなかった。
「これ良かったらもらってくれない?」
「ありがとうございます」
 思っていた以上に素直な反応で、スマホケースをもらってくれた。ドラえもんのおかげか、色仕掛けの賜物かは判断つかないけれど、何はともあれ浩也の意識が少しだけでも、自分の方に寄って来たことを確信した。
 予想通り、今までとは違って、絵美と会話のキャッチボールが出来るようになった。無論、行内ではほとんど話はしないけれど。
 多分、女性免疫が無い浩也は周囲に知られることを極度に恥ずかしがっていたに違いない。それでも、少しづつ、少しづつ距離が近づいていることを実感している絵美は満足だった。


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