泡姫 メグ-2
店の前に着くと、迎えに来たホテルマン然とした男と同じような格好の男が二人直立不動で待っていた。
車が停車すると、すかさず車のドアを開けてくれる。
「いらっしゃいませ」
客引きとか、もっとダークなイメージのあったソープランド。しかし、目の前の相対は、一流ホテルのそれに近いものがある。
重い扉を双方向からボーイさん二人が開けてくれる。一歩店内に入ると、足元から奥の部屋に向かってレッドカーペットが敷かれていた。あまりの豪華さに、立ちすくんでいると、
「ほら、遠慮しないで。行こう」
そう言って、社長は慶一郎のお尻をポンっと押した。
豪華な造りは当然だった。後から知ったことだが、そのお店は料金が10万円(一人)近くする超高級店だった。
まずは、これまた豪華な個室に通される。
何人かが同じ部屋で待つことが一般的らしいが、さすが名の知れた社長だけに、VIP扱いなのだろう。
「普通、女の子は選べるんだが、今日は騙されたと思って僕のおススメの娘に付き合ってやってくれないか」
「いえ、僕がどうこう言える立場じゃないですから。喜んで、お付き合いさせていただきます」
「そうか。じゃあ、電話でお願いした通りよろしく頼むよ。僕はいつもの通りでお願い。頼んだよ」
社長は電話で予約した段階で女の娘の指名をしていたようだ。
「かしこまりました。もう少々お待ちください」
入室以来ずっとひざまずいた格好で、話を聞いていたボーイさんが立ち上がり、一礼後別の部屋に消えていった。
それにしても徹底した従業員教育である。
社長の言っていたビジネスの基本というのはまんざら遠い話でもない。
「まさか、童貞じゃないだろう」
「ええ、それなりには・・・でも、ヘルスとかは行ったことありますけど、ソープは初めてなんで。ちょっと緊張してます」
「なんだ、なんだ。いつもの仕事ぶりとは大違いじゃないか。なーに、ヘルスもソープも変わらんよ」
コンコン
数分程度、他愛もない世間話をしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「キララです。お入りしてもよろしいでしょうか」
指名した泡姫がやって来たようだ。
「どうぞ」
社長の返答に応答するかのようにドアが開いた。
入って来た泡嬢の姿を見て僕はビックリした。第三者が見ていたらば、恐らく目が真ん丸になっていたと証言するだろう。そのくらい驚いた。
なんと、入って来た泡嬢は一糸纏わぬ全裸姿に赤いヒールだけを履いた格好だったのだ。
「いやん。お連れのお客様もご一緒だったのね」
社長一人だけだと思っていたのか、僕の姿を見ると、右手で両胸、左手で恥毛を隠し、腰をくねらせた。
当然のことながら僕はその時点で勃起してしまった。
「恥ずかしがることないじゃないか、いつものようにやってみなさい」
(いつものように・・・毎回裸でお迎えさせているのか)
社長の言葉に、キララ嬢はおずおずとこちらに向かって歩いてきた。
(な、なにが始まるんだ!?)
「いつもありがとうございます。今日もキララのおまんこをいっぱい可愛がってね」
キララ嬢は社長に抱き着き、唇にチュッとした。どうやらこれが社長のいつものパターンらしい。
「それじゃあ、先に行くからね。君のお相手もすぐに来るから、ゆっくりと楽しんできたらいい」
そう言い残して、社長はキララ嬢と腕を組んで部屋を出ていった。
僕は、キュッと上向きのキララ嬢のお尻を食い入るように見入っていた。
(すげぇーなぁ。よっぽどのVIPじゃないとこんなこと出来んわ。どんだけ金使ったんだろ)
かなりの常連客でもこんなサービスを黙認することはあり得ないだろう。社長は、単なる常連客のレベルを遥かに凌駕しているに違いない。そうでもなければ、裸でのお出迎えなんてある訳が無い。
そんなことを考えながら、高そうな調度品で溢れている部屋の中を物珍しそうに眺めていると、部屋をノックする音が聞こえた。
「失礼します」
簡単な声掛けと共に、泡姫が入って来た。その姿を見て、もう一度驚いた。なんと、彼女もすっぽんぽんだったのだ。
先ほどのキララ嬢はスラリとしたスレンダー体形。胸は形も整い綺麗な美乳ではあるがさほど大きくはない。Cカップといったところか。
一方、目の前に現れた姫は、お世辞にもスレンダーとは言えないけれど、決して太っている訳ではない。
胸は確実にデカい。少なくともEカップ以上はあるたわわなオッパイだ。正面しか見えていないが、お尻もかなりデカそうに見える。ウエストのくびれは全体的なボリューム感から、まあ仕方ない感じの太さも、くびれがないわけではない。
「本日、お相手させていただきますジュリアです。よろしくお願いします」
まさかの展開で、驚きのあまり身体にばかり目が行ってしまっていた。挨拶をされて、マジマジと顔を見てみると、パッと見は少しおっとりとした感じで、一見風俗嬢をしているようには見えない。しかし、堂々とした佇まいと、しっかりと見つめる眼力、その眼に宿る妖艶な眼差しは、女の色気が滲み出ていて、おとなしげな雰囲気は全く無い。
「あ、よろしくお願いします」
緊張と驚きで、客であるはずなのに深々と頭を下げてしまった。
「ふふふっ、そんなに緊張なさらなくても。リラックス、リラックス」
戸惑う僕にジュリア嬢は優しく声を掛けてくれた。
部屋に入ると、ジュリア嬢はいきなり抱き着いてきた。と、同時に唇に唇を押し付け強引にディープキスが始まった。たじろぐ僕とは正反対に、ジュリア嬢は僕の唇を優しく吸い、ゆっくりと舌をねじ込ませてくる。甘い香りがした。
次第に落ち着いた僕は、彼女の背中に手をまわし、肉感的な身体を抱きしめ、同じようにジュリア嬢の唇を貪った。
約3分近くネットリとお互いの唇と舌を舐り合った。
唇を離すと、ジュリア嬢はフーッと息を吐いた。