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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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俺だけをみて!-2

小一時間後、ようやく目的地「キルハリゾート」へ到着し、早速ロビーでチェックインを
するお爺さん。

「いやー、スキー楽しみだね若葉!」
「はい、上手く滑れれば良いのですが…。」
「大丈夫、私が手取り足取り教えてやっから。」
「お願いします、巴ちゃんお上手そうですもんね。」
「一応、バレーやってるからねー。」

向こうでワクワクする二人。

「バレーやってればスキーも得意って訳じゃないのにね。」
「…あ、あぁ。」
「んー、どーしたぁー折角の正月旅行だってのに浮かない顔して。」
「……。」

それは道の駅を出ようとした時だった。

「お爺ちゃんもお土産買ったんだね。」
「あぁ、組合の人たちや常連さんにな…、お前は友達にあげるんだな。」
「うん、部員の皆喜んでくれるといいけど、早乙女先輩も…。」
「?…当然あの子にもあげるんだろ?」
「えっ、あの子って…?」
「おいおいー、忘れたんかー、風馬君の事じゃよー。」
「!!」

ソイツの名が出た途端、彼女と俺は同時にハッとする。

アイツの事は今でも許せない、俺や巴、そして柊さんを己の欲望で卑劣に苦しめた。

「も…、勿論だよ!彼にもあげるわ、土産話と共に。」
「……。」

一応…、彼女はぼそっとそう言ったのを聞き逃さなかった。

「喧嘩でもしたんかー?」
「べっ、別に。」

幸い彼は耳が遠いのか、その言葉は聞こえなかったようで。

「彼はお前にとって大事な幼馴染じゃからのう、色々と気に掛けんとな。」
「そう、だね…、彼には色々とお世話になったし。」

お爺さんなりに孫を心配してるのだろうけど、そのせいで万が一彼がアイツを彼女とくっつけようとされたら厄介だな。

「おーい!なーにしてんだっ!おいてくわよー!」
「あー、今行くー。」

受付を終えたようで、部屋に向かう三人、巴の言葉でハッとする。

「ほらーいくよーあたるー。」
「……。」
「?。」


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