『月陽炎~真章・銀恋歌~』-32
33 悠志郎は隙ありと見て、さっと右手を柚鈴の腋の下から着物の襟へ差し入れて乳房を被い、左手で反対側の腕の自由を奪った。
『んきゃぁっ!いやっ!あっ、悠志郎さん?ちょっと……な、なにをっ……』
『ふふふ……柚鈴、したいです』
悠志郎はそう言って、すっかり硬くなったモノを柚鈴の尻に押しつけた。
『やっ……し、したいって……そ、そんなぁっ……だ、駄目です……こんな朝からっ……』
『柚鈴と……したいな……』
耳元で囁きを続けながら胸元をまさぐり、弾力のある乳房に指を這わせる。
『昨日は、あれからずっと柚鈴のことを考えていました』
『そ、そんな……わ、私の……こと……んクッ……はッ……』
『そう、こうやって可愛い声で鳴く……可愛い可愛い私の柚鈴のことをね』
悠志郎は指で柚鈴の乳房をこね、その先端に感じる突起をくりくりと弄り始めた。
『はくッ……やぁ……んッ……だ、駄目っ』
腕の中で身体を震わせて切なそうな声を上げる柚鈴に、悠志郎の肉棒は更に硬度を増していく。
触れ合う尻へそれを強く押し付けてやると、彼女の吐息は徐々に熱く甘いものへと変化していった。
『ッく……悠志郎……さん……ここじゃ……ここじゃいやぁ……ッ……』
柚鈴は身体を駆け巡る快楽の波に、譫言の様に悠志郎の名を呼びながら堪えている。
だが、懸命に抗いながらも、更なる快楽を求める嬌声はとうとう溢れ出してしまう。
『駄目です。もう我慢できないのでここでします』
『やッ……いやぁ!』
割烹着(かっぽうぎ)を付けたままというのも中々よいものだ。
柚鈴の抗議を黙殺すると、悠志郎は袴の裾を捲って下着を一気に取り去った。
自分の前を捲って肉棒を取り出し、淫裂に亀頭を何度か擦りつけて往復させる。
既にびしょびしょになっている柚鈴の淫蜜を纏い、肉棒はあっという間にてらてらといやらしい艶を放ち始めた。
『ひぅッ!駄目……悠志郎さん!ここじゃいやっ!』
『さ、足を開いて。気持ちよくしてあげますから』
『いやぁっ!お願いですっ!ここじゃ……ここじゃ誰か来ちゃいますぅっ!』
『その時はその時です。さ、桶に手をついて』
悠志郎は柚鈴の哀願を無視して、彼女の片足を持ち上げた。
均衡(きんこう)を崩した柚鈴は、もう目の前にある木桶にしがみつくしかない。
『きゃぁっ!ゆ、悠志郎さん、やぁぁッ!か、母様が……来ちゃう……』
いやいやと尻を振る柚鈴の姿はかえって悠志郎の欲情を誘う。
痛いくらいに天井を向いた肉棒を、すっかり濡れそぼって紅く充血した淫裂へあてがった。
『もう駄目です。可愛すぎる柚鈴がいけないのですよ』
悠志郎はそう言うと、軽く亀頭の先を淫裂に押し当てた。
『やぁぁッ!駄目ぇ!許してぇっ!』
髪を振り乱して叫ぶ柚鈴の腰を抱えると、悠志郎はぐっと一気に腰を押し出し、彼女の奥深くまで埋没していった。
『きゃぁッ!』
溢れかえる柚鈴の淫蜜は、適度な滑りを与えている。
ぬめりとした締め付けが悠志郎の背筋を駆け抜け、その快楽にぶるりと腰が震えた。
『く……ゆ、柚鈴……最高に気持ちがいいです』
『あ……ぁふッ……な、なかに……はいっ……て……』
『柚鈴……動きますよ』
結合部からくちゅくちゅといやらしい水音が漏れている。
柚鈴の肉襞を往復し、擦り上げる度に、悠志郎の肉棒をぎゅうぎゅうと締め上げてくる。
『はぁ……ひぅッ……ゆ、許して……悠志郎……さ……や……ぁッ……』
この体勢では柚鈴の顔が見られないのが残念だか致し方ない。
悠志郎は前に後ろと、不規則な抽送を柚鈴に与え続けた。
『や、やぁッ……お、お願いっ……ぬ、抜いて……』
『本当に……そう思っていますか?』
しゃくり上げるような柚鈴の言葉に、悠志郎は少しばかり強く腰を動かした。
既に何度か身体を重ねた仲なのだ。
柚鈴の弱点はいくつか発見済みである。
悠志郎は腰を巧みに使って、雁首(かりくび)で柚鈴が一番喜ぶ部分を責め立てていった。
『はぅっ!あッ……んぁぁっ……はぁ……ひぁぁッ……』
『もっと素直になりませんか?』
『あああっ……あくッ!も、もう……ゆ、ゆるしてぇっ……』
こんなに乱れ始めているというのに、柚鈴はまだ快楽に抗い続けている。
誰かに見られるかもしれないという気持ちが、悠志郎の言葉を拒み続ける理由なのだろう。
だが、それは同時にいつもよりも深い快楽を柚鈴に与えているようでもあった。
『ほら……柚鈴……どうですか……?』
柚鈴の締め付けが段々激しくなって来る。
肉襞は肉棒のありとあらゆる部位に絡み付き、思わず果ててしまいそうになるほどの刺激をもたらした。