AB-1
まる一日、AもBも姿を見せなかった。正確にはわからなかったが、二日分の食料が投げ込まれていたので、なんとなくそう確信に近いとは思っていた。
重い鉄扉が開けられ、スーツ姿のBが入ってくる。
「二日ぶりだね。ゆっくり寝れた?」
やはり、二日経っているらしい。48時間経っても、股の痛みはほぼ無くなったが、傷はまだ赤く残っている。それでも、Bは首輪を留め具から外して、亜里沙を立ち上がらせ、鎖を引いて牢屋から出した。
凌辱部屋に入れられると、Bは慣れた手つきでカッターシャツと、ブラと下着を素早くはぎ取り、亜里沙をベッドに寝かせた。もう羞恥心など無くしてしまったのか、亜里沙は大胆に大の字でベッドに仰向けで横たわる。胸も、両脚の付け根も、隠すことなどもうしない。
「淫乱になってきたな。恥ずかしくないか?」
Bも、自らの衣服を脱ぎ捨て、棚の紙箱から取り出したコンドーム片手に、寄ってきた。
「ちょっと……恥ずかしい」
しっかりとBの目を見て答える。ついこの前までは、目を見るどころか、瞼を固く閉じてそっぽを向いていたのだから、なかなかの進歩だな。Bはフッと小さく微笑む。
「股を開けろ」
スッとシーツの上ををかかとが這って、両脚が開かれる。開かれた秘所は、未だに木馬の傷が僅かに残っていて、赤く染まっている。痛みはほとんど引いたが、触られるとやっぱりちょっと痛いかもしれない。
「膝曲げて、M字だよM字」
言われた通り、まっすぐ伸ばした脚を、膝で曲げてM字開脚で、Bに晒す。晒した秘所に、Bは躊躇することなく、顔面を突っ込んだ。
「はうああっ、うぅ……あ」
「あ、もう溢れてきた。塩味だね」
「うぅぅ……ああっ!」
Bは舌を目いっぱい伸ばして、亜里沙の膣に入れて、その柔らかい肉壁を縦横無尽に舐めまわした。味覚が愛液から発せられる塩味を捉えて脳へと伝達する。
「ほら、身体上げて。今度は指入ってるとこちゃんと見て」
腕を直角に曲げてベッドに立てさせられ、上体を起こされる。股の間、僅かに生えた陰毛と、それに見え隠れするBの二本の指。自身の愛液でテカテカと光って、皮膚がふやけているのがわかる。グチュグチュと、嫌な音を立てて、粘性の愛液が太腿や、下のシーツに飛んで、湿り気を与える。
「ビショビショになったな。この淫乱」
「うあっ、あ、あうぅ、ご、ごめんなさい」
「反省のしるしに、一回イッとくか」
Bの指の動きが急に速くなった。開いている片方の手は、クリトリスを軽くつまんで、グリグリとねじる。亜里沙は小さく痙攣して、立てている腕を崩してしまい、ベッドに無様に横たわって快感に悶えてしまう。
「あああっ、イク! イッちゃう、あ、ああ、ひあああああああっ!」
視界に閃光が瞬き、体内の酸素を一瞬のうちにして消費する。絶叫のあとは失った酸素を取り戻すために、大きな荒い息をくり返す。ぐたっと横たわっている亜里沙をしり目に、Bは扉を開けて、外で待っている人物に声を掛けた。