AB-2
「亜里沙ちゃん、久しぶりー。って一日開けただけなんだけれどね」
「ひっ……」
誰にも聞こえない小さな声で、亜里沙が呻いた。うめき声は無論その対象の人物には聞えなかったが、聞こえずとも、彼女が怯えているのは瞬時に理解していた。と、言うよりも外で待っている時点で、怯えるであろうことを確信していた。
「亜里沙ちゃんが大好きな、Aさんでーすっ! とか言ってな」
「気持ち悪」
その後ろでBがボソッとつぶやく。
まるで幼児番組に登場する着ぐるみのような動きで、両手を振りながらAが入ってきた。怯えを隠したい亜里沙は、シーツをぎゅっと握って、腕が振るえるのを必死で防ぐ。それでも、全身がわなわなと勝手に震えてしまう。身体のあちこちにうっすらと残る鞭の傷跡が、歪に歪む。
「いや、お前もちょっとは乗れよ。俺一人バカみたいじゃねーか」
「一人でやってろバカ」
「けっ」
Aは亜里沙の頭の方まで来ると、両腕を伸ばして無造作に胸を揉んだ。形が変わるほどの力で揉まれるそれには、なんの快感も生み出さない。
「い、痛い」
「ああ。痛くしてるからな」
乳首をぎゅっとつねられて、亜里沙はさらに悲鳴を上げた。
「あぐっ! 痛いよぉ」
「今日は3Pをしてやるからな。どうだ、淫乱少女的には嬉しいだろ?」
亜里沙は3Pなどという単語には心当たりはなかったが、Aの続く言葉で大方の想像はできた。
「俺っちとBで、亜里沙ちゃんのこと、死ぬまで犯してやるからな」
「いや、死んだらダメだろ」
「いちいち野暮なツッコミを入れるんじゃないよ」
「はいはい、悪かった悪かった」
「ハイは一回! 謝罪も一回! ちょっとは真面目に謝れよっ」
そんな口論の間に、亜里沙は四つん這いにされて、その口にはAのすでに準備の整った肉棒が、喉の奥にまで入れられていた。
「むうっ、ぐぼ、じゅうううっ」
「おお、いい吸い付だ。フェラうまくなったな」
褒めてはくれる。ただ、Bのように髪を撫でる、なんて優しいことは彼はしない。髪を掴んで引っ張り、自分の好きなように動かすのが、Aだった。
「むごおおおっ、おおっ、んぐうっ」
「舌も動かせ。俺を満足させないと終わんねーぞ」
「ふがあっ、レロレロっ、ぐふっ、ゲホゲホッ! んぐ、じゅぽっ」
口の端から涎が溢れて、口の真下のシーツに染み込んでいく。呼吸をする間もないくらい頭を前後に動かされて、亜里沙は何度もむせながら、舌を動かし、口を吸った。
「むふううううっ!」
Bによって亜里沙の秘所に、ピンクの卵型ローターが挿入された。ローターは振動を最大値に設定されており、膣内で暴れまわる。
「おーし、じゃあちょっと体勢を変えろ。しゃがんで二本同時しろ」
蹲踞と呼ばれる体勢を取らされた亜里沙は、AとBのモノを同時に相手させられる。Aの肉棒を右手で扱き、Bのペニスは口に入れて、フェラで歓迎している。
「うごご、ちゅぱっ、じゅるっ、ふうう、ぐほ」
二つの膨らみは左右の二人にそれぞれ好きなように弄られ、その下の割れ目は機械によって弄ばれている。愛液が糸を引いて直接ベッドに落ち、あるいはローターから延びるコードを伝ってシーツに染みを形成していく。
「今度はこっち」
「んあっ! んごおお、じゅぶじゅぶ、んじゅうううっ」
髪を引っ張られて、Bのペニスから引きはがされ、今度はAのペニスが喉奥まで一気に挿入された。唾液とカウパーで光るBのペニスは左手で扱く。
「ああー、イキそうになってきたな」
「早えよ、早漏かよ」
「ちょっと人が気にしてることを、いじるんじゃない」
「なんだ、自覚してたのか」
Aのペニスは硬度を増していく。Aの揉んでいる右の乳首が思いっきり引っ張られ、睨み付けられた。
「おい。Bのちんぽをもっと早く扱けよ。二人同時にイクようにしろや、使えねーメス犬が」
「ふぐ、ふぁい、わひゃりまひはあ」
メス犬なんて言葉がどうやったらポンと出てくるのか、亜里沙には分らなかったが、暴言を吐かれても反抗なんてできないので、恭しく返事をして、Bのペニスを握る手に力を込めた。
「あー気持ちいい。俺もそろそろ出そうだ」
Bのペニスにも力が宿っていく。両端の二人の男性は腰と膝を震わせながら、射精に備えて、ベッドに手を付いた。
「口に発射ーっ! ちゃんとこぼさず飲めよ!」
「胸で受け止めろ。おっぱい真っ白にしてやるよ」
Aの精液は口に注がれ、そのまま喉を通って胃に落ちて行った。Bの精液は胸に発射され、白いふくらみをさらに白く化粧していく。
「ふうううっ、ゴクッ! うはあっ、はぁ、はぁ、はぁ……」
Aのペニスによって塞がれていた喉が解放され、呼吸を目いっぱいくり返す。安心すると、絶頂感が急に襲ってきた。
「ああ……イキますっ、イクイクっ! ……うひゃああああっ!」
蹲踞の姿勢を崩し、ベッドに尻もちをつく。その股間からは、僅かに白く濁った液体がぷしゃっとはじけ飛んだ。