Girl Meets Devil 〜そのU〜-1
ちゅん…ちゅん…
窓のからは優しい日差しが漏れ、外からは‐雀だろうか?‐小鳥の鳴き声がする。
いつもどおりの朝。
「ん〜朝か…」
そういえば、昨日の夜信じられないことに悪魔に出会ってしまった。
「夢……?…そうだよ夢だ。」
そう、昨日の夜は全て夢。悪魔を呼んじゃったことも、願いを叶えてやるとか言われたことも、ファーストキスを奪われたことも全て夢なんだ!
でも…
「格好いい悪魔だったよな……」
…はっ!私は何、唇に手を当ててるんだ?いかん、いかん。昨日は全て夢。それに学校に行かないと!
現在、私は一人暮らし。お父さんが海外に単身赴任してるんだけど、何故かお母さんまで一緒について行ってる。これじゃあ私が単身赴任してるみたいじゃないか。まあ仕送りしてもらってるんだけど…
さてと、ご飯食べて学校に行って、それから…
ガチャッ……
「おはよう。」
「…!」
誰もいないはずのキッチンには夢で見た悪魔が座っていた。
頬を抓ってみる……あはは…参ったね…最近の夢は痛みも与えるらしい………もう笑うしかないや……
「これは夢だ……これは夢なんだ………」
「否、現実だ。目の前の真実を受け入れろ。そして、願いを言え。」
「やっぱり、現実なんだぁ……はっ!…ということはキスも……」
「どうだ、ファーストキスは甘酸っぱかったか?」
「う、五月蠅い!お前なんかどっか行け!それに何で私の家にいるんだよ!!」
「お前の願いを叶えるまで此処に住まわしてもらおうかと。」
「ふざけんな!何で私が悪魔を住まわしてやらなにゃならんのよ!」
「勝手に呼び出しといて後は知らんだと?俺は仮にもお前の初めてを貰ってやった男だぞ。」
「誤解を招く様な言い方をするなああ!それにファーストキスは奪われたんだ!!」
「くくっ…冗談だ♪それに契約はすでに交わされたんだから住まわしてやるくらい当然だろ?」
「…じゃあ契約破棄だ。」
「残念だが悪魔との契約は破棄出来ない。別に裁判所に訴えてもいいんだぞ?ただ、聞いてくれるかどうかは知らんがな♪」「くっ……」
コイツ本気で殴りたい…!
「それよりも時間はいいのか?」
「時間?…やばい!遅れる!」
コイツのせいで朝の貴重な時間を…
「とにかく!私は学校に行くけど、アンタは?」
「俺も今日は行くところがある。」
「じゃあ、戸締まりよろしく!」
「ああ…任せろ♪」
その時、悪魔がニヤリとしたのを私は気がつかなかった…