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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 家庭科その5 〜-3

 私たちが暮らす統一国家の前身といえば、旧世紀の日本です。 言語、習慣、食生活といった文化は、基本的に日本のそれを踏襲してきました。 その中で踏襲しきれていない分野が『衣服』で、旧世紀に着た物、つまり『着物・和服』は特別な事情がない限り、現代ではお目にかかりません。 懸衣型(身体に布をかけたもの)だったり、反物から裁断した直線生地で構成したりと、和服は様々な面で現代のスタンダードと違っています。 【B22番】先輩が手に取った着物はいわゆる
 着付けの手順は細かく決まっていて、【B22番】先輩は1つ1つの動作を説明しながら、1人で上手に着物を羽織って見せてくれます。 私には手順の半分も覚えきれませんでした。 羽織る、背中心で合わせる、上前を決める、衽(おくみ)線を合わせる、下前を決める、腰ひもを結ぶ、お端折り(おはしょり)をつくる、掛け衿を合わせる、下前衿をとる、伊達締めをつける――それぞれの段取りにチェックすべきポイントが無数にあって、仮に説明書があったとしても、到底着れそうにありません。 そう考えると、久しぶりの着物を前に一切滞りなく着付を進めた【B22番】先輩……凄すぎますよね……痛感します。
 着付を終えた姿も圧巻でした。 【B22番】先輩は切りそろえた前髪が元々和風だったし、綺麗な真っ黒い髪だし、和服が似合うだろうなって思ってはいましたが……想像以上で、どう表現したらいいか、上手く言葉にできません。 如いていえば、そのままで一枚の写真になるような、楚々とした最高級のお人形さんでしょうか。
 ただ、着付はここで終わりじゃありません。 徐(おもむろ)に裾を掴むと、先輩は着物を頭の上まで捲ったんです。 下着は着けていないため、真っ白な肌が着物の下から現れました。 そのまま捲った着物で上半身を包みます。 両手を含め、全て着物の裏地に隠してから、先輩は内側から服を縛ってしまいました。 まるで『茶巾寿司』から足が生えたような姿は、さっきまでの静謐な美しさとは対極です。 不恰好で、頭が悪そうで、みっともなくて……でも、それが私達にとって正しい着物の着方でした。 【B29番】先輩が説明してくれたんですが、キチンと作法に則って服をつけたうえで、隠すべき下半身を晒すために着物を捲り、隠す必要のない上半身を隠すこと。 これが牝の淫らな本性を体現する手段だそうです。 
 前が見えないため、【B22番】先輩は足許を探り探り部屋を一周してから、茶巾寿司を解(ほど)きます。 着物の中から現れた顔は、熱で蒸れたせいか、それともせっかく身につけた着物をひっくり返さなくちゃいけない口惜しさのせいか、さっきよりも赤く火照っているように見えました。


 先輩方のファッション・ショーは、まだまだ続きます。
 

 次に【B29番】先輩が着てみせてくれたのは、タイトなワンピースに大きな文字やロゴをあしらったスーツでした。 もちろんスカートの裾は股下5センチまで詰めています。 先輩曰く『バドガール用のバドスーツみたいなもの』だそうで、胸元からお尻まで、びっしりと文字・図柄に埋め尽くされた外観は圧巻でした。
 ただし描かれた文字は、単なる広告なんかじゃありません。 『チツマンコの直径○○センチ』『クリトリスフル勃起記録○○時間』『ウンチ便秘中、○○日に1回ひりだします』『ケツマンコをくじって絶頂するまで15秒』『絶頂時はオフッ、オフッと息みます』『セルフクンニを上達するため、毎晩セルフアナルクンニに挑戦中です』『チツマンコは腐った海鼠のマン臭がして、匂いを減らすため毎日クンカクンカ嗅いで悶絶してます』『しょっちゅうマン屁を、プピッ、プピッてしています』……どれをとっても目も当てられないような内容ばかりで、思わず視線を逸らしてしまいました。 先輩によれば、バドスーツを着る時は『自己紹介の文面で埋める』のが決まりで、教官のチェックを経て合格を貰ったバドスーツを着て校内を一周することが、家庭科の試験の1つだそうです。 言葉を失った私たちの前で、先輩は『服自体はただの小さいワンピースだから、どってことないよ。 気にし過ぎ』と笑っていました。 清々しいくらい達観してますよね、先輩方は。

 
 続いて【B22番】先輩が選んだ服は、一生に一回という建前のもと、旧世紀の牝が意匠を凝らしたウェディングドレスでした。 実際には牝の不貞、不逞、不遜、不実、不義、不正によって婚姻継続率が極めて低かったのが事実です。 ウェディングドレスが華美になればなるほど婚姻破綻率が上昇した事実を突きつけられると、同じ性として恥ずかしいし、情けないし、申し訳ないと思っています。 白いオペラ・グローブに白いベール、白いパンプスに白いスカート。 どこをとっても純白の衣装にも、【B22番】先輩の黒髪は映えていました。
 腰からはトレーン(引き裾。 後ろに長く引きずる部分)が伸びていて、股下5センチしかないスカートと好対照です。 正面に恥ずかしい割れ目を丸出しにする一方、後ろにはトレーンで慎みを表す。 顔は純潔の象徴たるショールで多いながら、最も罪深い膣は隠そうとしない。 きっとそういう矛盾を含め、恥ずかしい部分を如何に強調するかを考えた時、私たちは正しい着こなしに辿りつくんだろうな、と思いました。




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