柔らかい朝-5
千帆は笑った。
昨日も、丘の頂上のこの場所で休憩した。
「ヒロミンちゃう?」
反対側から坂を登ってきたのは修二だった。
(朝から修二か…)
弘美はため息をついたが、修二は一緒にいた千帆に気がつくと驚きの声を上げた。
「うおぉ!千帆さんやないですか?」
それを聞いて弘美が驚いた。
「修二は、千帆さんを知っているの?」
「ヒロミンこそ、千帆さんとどうやって知りおうたん?テニス部の千帆さんは、体育会ではめちゃ有名な人なんやで」
「そうなんだ…」
弘美は、あらためて千帆を見返す。
スタイルの良いきれいな人だ。
そんな人と濃密な昨夜を過ごしたのだ。
「うらやましいでしょ?修二。どうやって知り合ったかは、内緒」
修二は千帆に向けてアピールを始めた。
「僕、修二です。バスケ部におるんです。レギュラー目指してますけど、まだまだです…、でも、千帆さんのことは知っています」
「千帆です、よろしくね。弘美ちゃんとお友だちなのね?」