柔らかい朝-4
「恥ずかしい。やめてくださいよ〜」
弘美は笑いながら答えた。
そして、甘えたような目で続けた。
「でも、千帆さん。お願いがあるの」
「なあに?」
「わたしがまた便秘になっちゃたら、また治療してくれます?」
「もちろんよ。いつでもいいわよ!」
千帆もそれは望むところだった。
高校時代のパートナーだった麻衣と別れて以来寂しい思いをしてきた。
自分で慰める虚しい日々に飽きていたところだった。
「千帆さん、ありがとう。じゃ、約束のキスをして」
弘美は目を閉じて千帆を待った。
千帆は身体の向きを変え、しっかり弘美を抱きしめると丁寧で濃厚なキスをした。
♡ ♡ ♡ ♡
弘美と千帆は食事をするため、自転車で学生食堂に向かっていた。
道の途中に丘がある。
弘美は丘の上で待っている千帆にやっと追いついた。
「やっぱり千帆さんは体力ありますね。」
そう言いながら自転車を止めて一休みした。
長い上り坂に差しかかると千帆に引き離されてしまったのだ。
「この大学で生活していると、自然に力が付くわよ」