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秘密は21号室で
【同性愛♀ 官能小説】

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柔らかい朝-3


「わたしはね、テニスを続けたかっただけなの。この大学ってテニス強いじゃない?だからなの」

たしかに、明るくなった部屋の中に見えるものはテニス用品ばかりだった。

「え?それだけなんですか?」

「そう。それだけ」

弘美はあっけにとられた。

「でも、将来のこと考えたり、親からいろいろ言われたり、しませんでした?」

「いちおうは考えたよ。でもそれは建前で、本音はテニスをやりたかっただけ」

拍子抜けした。
そんなもので良いのか。
弘美にとって千帆は、この大学に入ってから初めて強く意識した憧れの人物である。
その人がこの大学を選んだ理由は、あまりにも単純だった。
弘美はスッと肩の荷が下りたような気がした。

「へ〜。そうなんだ…」

気が楽になった弘美の顔に笑みがこぼれた。

「わたし、もしかすると、難しく考えすぎていたのかもしれない…」

気持ちがリラックスすると、つられて身体も反応した。
グーッと胃が鳴ったのだ。

「千帆さん、わたし、お腹すいた」

千帆は、弘美がすっかり元気になったことを喜んだ。

「出た分、お腹すいたんでしょ?あれだけ出たんだものね〜」

少しからかう。



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