先輩からの便秘治療-4
21号室のドアを静かに叩いた。
何度かノックを繰り返すと千帆が出てくれた。
千帆は眠たげだったが、弘美を見ると驚いた表情に変わった。
顔色悪く青ざめた弘美が、お腹を抱えて立っていたからだ。
「弘美ちゃん…、どうしたの?」
「お腹が痛くて…」
「とにかく部屋に入って」
千帆は弘美を招き入れた。
千帆は今まで自分が寝ていたベッドに弘美を寝かせた。
弘美は、大きめの枕とふとんに千帆のぬくもりと香りを感じた。
お腹を抱えて丸くなる弘美に千帆は身を寄せる。
「便秘のお薬を飲んだのね?」
「そうなんです。そうなんですけど、お腹が痛くて起きちゃったんです」
千帆は弘美に寄り添い、下腹部を押さえる弘美の手の上から自分の手のひらを重ねた。
「痛いのね…。そうなのよ。このお薬は慣れないうちは痛くなるのよね」
(そういうものなのか)
弘美はちょっとだけ気が楽になった。
「でも、痛くて痛くてしょうがないんです」
「これはすごく効くんだけど、効き目が強いのよ。それで、お手洗いには行ったの?」
「行きました。でも、お腹は痛いんだけど、まったく出そうにないんです。わたし、お薬飲んでも出ないなんて…」