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秘密は21号室で
【同性愛♀ 官能小説】

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母からの電話-7

「せっかく出そうだったのに…」

すっかり便意が遠のいてしまった下腹をさすりながら弘美はつぶやいた。
今回こそは出すぞと決意して臨んだのに排便できなかった。
悔しさと情けなさで涙が出てきた。
拭く必要のない尻穴をトイレットペーパーで虚しく拭き上げると、水洗のレバーを倒した。
涙を拭い、鼻をすすり上げながらトイレの個室を出た。

一人の寮生が洗面台の前に立っていた。
先ほどの酔っ払いの騒々しさで気がつかなかったが、途中でもう一人の女子学生がトイレに入って用を足し終えていたのだ。
彼女は、最初からずっと閉まっている個室があることに気がついていた。
洗面台の鏡に、その個室の扉が開き、情けない顔をして出てきた弘美の姿が写った。

その女子学生は洗面台に近づいてきた弘美に声をかけた。

「弘美ちゃん、大丈夫?」

弘美は、トイレ内に彼女がいたことにやっと気がついた。

「千帆さん、いらっしゃったんですね。ごめんなさい、わたし大丈夫です」

彼女は、この寮に住む1年先輩で千帆という名前だった。
寮の新入生歓迎会で互いに知り合い、今までに何度か会っていた。
ふとんを干す屋上の場所とルールを実際に教えてもらったこともあった。
数多くいる寮の先輩の中でも、弘美にとって千帆は気になる存在だった。
髪が長く、少し日焼けした肌でとてもスタイルが良い。
テニス部に所属していると言っていた。
弘美はこの先輩に憧れに近い感情を抱きつつあったのだ。

「大丈夫なんかじゃないでしょ?泣いてるんだから」

弁解の余地がなかった。
先ほどまで弘美のいた個室の扉が開かれたため、充満していた臭いが二人のところまで漂ってきた。
それは鼻を突くような悪臭であり、弘美から出たガスに違いなかった。



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