母からの電話-4
「お母さん、ぜんぜん大丈夫じゃないよ、わたし」
弘美はひどい便秘で苦しんでいることを母に言わなかった。
「言えばよかったのに…。なんで言わなかったの?」
自分自身にそう問いかけた。
すると、涙があふれて枕にこぼれ落ちた。
♡ ♡ ♡ ♡
ペットボトルに入ったミネラルウォーターの残りを一気に飲み干すと、弘美は決意して寮の共同トイレに向かった。
目が真剣そのものだ。
(絶対に出してみせる。このままではマズイ)
母に頼ることもできない。
自分でなんとかするしかないのだ。
この寮の築年数は、弘美の年齢の2倍は経っているのだろうか。
その共同トイレも老朽化していたが、一応は洋式だった。
部屋着として穿いている緩いスウェットのズボンを下ろして便器に座る。
両手に握り拳を作って踏ん張る。
「ふう〜む!」
「ふうううーん!」
「ううん、あぅーー!」
その声はだんだん下品になっていく。
肩で息をする。
「はあ、はぁ、はぁ…」