A:3-2
「さぁ……起きろ」
Aは、吊っている鎖をボタンで操作して、ゆっくりと亜里沙の身体を落としていく。
「まだ寝てる」
気を失ったままの亜里沙は、半開きになった口から涎をだらしなく垂らしながら、ゆっくりと木馬の背に身体を落としていく。あと数センチというところにまで亜里沙の身体が近づいたとき、Aは一旦鎖の下ろす手を休めた。そして、ニヤッと小さく口元を歪めると、あるボタンを静かに押して、亜里沙の股間を、ついに木馬に落とした。
「んぎッ!? んぐがあああああああああッ!」
亜里沙は痛みによって覚醒し、上半身をのけぞらして、おぞましい絶叫を上げる。
「ははっ、やっぱこうでなくちゃ」
Aは満足そうに手を叩いて笑っている。亜里沙は視界に入るAのそんな恨めしい姿も、脳まで届かない。秘所に走る激痛が、脳まで伸びている感覚すべてを占拠し、危険を知らせている。
「ウガアアアアアッ! いだいいッ! いだいいだいッ! うがあああッ! がああああッ!」
「うるせーよっと」
スパァァァァン!
空を切る音、そして乾いた音と共に鞭が振るわれ、傷だらけになった亜里沙の胸に新たな傷を刻み込む。亜里沙は反乱狂になって木馬から転げ落ちようとするが、吊られている両腕が、邪魔をする。結果、ただ暴れているだけの格好となり、亜里沙の秘所は衝撃でさらに木馬にめり込んだ。
「おろじでぇッ! いだいいいいいッ! おろじ、おろじでッ! はやぐおろじでぇぇッ! あああああッ! うぎゃあああああああッ!」
「わはははは、もっと痛がれー」
「ウガアああああッ! いぐああああああッ!」
何発も鞭が亜里沙の身体に振るわれる。皮膚が破けて血が垂れる。そこにまた鞭が炸裂して今度は血がはじけ飛ぶ。そのたびに亜里沙は人間、少なくとも少女が発するものではない甲高い絶叫を上げてのたうち回る。
「ははは、相変わらずすごい喚くね」
Aは反乱狂で痛みに狂う亜里沙の姿に、心底満足したように、笑う。彼にとっての性的欲求とは、一般的な性交にあらず、対象の女が痛みに、屈辱に、恥辱にまみれて泣き叫ぶ姿によって満足させられる異常であった。
「あ……アアゥッ、あああ……あ」
ビクッビクッと痙攣を再び始め、意識が混濁してきた亜里沙。Aは一旦鞭を振るうのを止め、棚からバケツを二つ持ってきて、亜里沙の両足首に地面に届かない短さの縄で繋いだ。そのバケツに途中で二股に分かれたホースの口をそれぞれのバケツに放り込む。
「さあ、何リットルで目が覚めるかなー?」
ホースの先にある蛇口が捻られ、水が出る。水はもちろんホースを通って、亜里沙の足首で揺れているバケツに注がれていく。
「うぅ……あ……あ!? うぐううううッ!?」
バケツの内側に彫られた目盛が8リットルまで超えたところで、亜里沙の意識は、強烈な痛みを伴って現実へと引き戻された。
「ギアアアアアアアッ! いだいいいいいッ! あ、脚があッ、脚があああッ!」
「なに途中で寝ようとしてんだよっ! おらああっ!」
水を止めたAは、再び鞭を手に取り、亜里沙の身体を何度も力一杯打ち据える。これが威力の弱い馬上鞭でなければ、亜里沙は確実に死亡していただろう。それでも、力任せに振るわれれば、いくら馬上鞭と言えどもただでは済まされない。
「ごめんなざいいッ! ごめんなざいいいいいぃッ!」
「ああ? 謝って許されるかよ! もっとキツイお仕置きが必要みたいだなあ?」
「やめでっ! やめでやめでやめでぇっ! 死んじゃう! ごめんなざいごめんなざいごめんなざいっ! もうしまぜんっ、ゆるじでぐだざいっ!」
亜里沙は涙と鼻水でぐしゃぐしになった顔を必死で縦に何度も振って、必死にAに慈悲を求めるが、かえってそれはAの嗜虐心を高ぶらせることになった。
「アガアアアアッ! いぎゃあああああッ!」
Aが無造作に三角木馬を揺さぶって、亜里沙の下腹部に激痛を加えこむ。その他にも、脚を下に引っ張ったり、身体を抱えて持ち上げてから落とす。また、抱えて落とすといった、非道を笑いながらくり返す。
「うわあああああッ! やめッ、あがッ、ぐああ、し、死んじゃうッ! しぬじぬじぬゥッ! やめでぇッ! うああッ、うアアアアアッ!」
喉がつぶれるような絶叫も、Aは好きだった。最高だ!もっと絶叫を、悲鳴を聞かせてくれ!