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海の香りとボタンダウンのシャツ
【OL/お姉さん 官能小説】

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こうじ-4

 島袋はその薄いゴムを手に取り、慣れた手つきでするすると自分の怒張した持ち物に装着した。それから美紀の、ブラとお揃いの黒いショーツをゆっくりと脱がせた。
 美紀は天井の鏡に映った全裸の自分の姿を薄目を開けて見た。それは自分とは別人のように艶めかしいピンク色の肌をした全裸の女がベッドで今、まさに一人の男のものになろうとしている、絵に描いたように無防備な図だった。

 島袋は避妊具を被せたペニスの先端に唾液を塗りつけると、右手で握り、美紀の秘部にそっと宛がった。
「いくよ」
 美紀はぎゅっと目を閉じ、身体を硬直させた。
 島袋が美紀の最も敏感な場所に侵入してくる。全身を熱く火照らせながら、美紀はますます大きく身体を震わせていた。そしてその目には少し涙が滲んでいた。
「大丈夫ですか? 美紀さん」
 美紀は何も言わず大きくうなずいた。
 島袋は美紀の頬を撫でながら、ゆっくりと腰を動かした。
「んっ、きつい……」島袋は小さく呟いた。
 美紀はその下半身に痺れを感じ始めた。大きくうねるような快感と、鈍い痛みが交互に彼女の下腹部を貫いた。

 いきなり島袋が動きを止め、腰を引いて美紀から身体を離した。
 美紀は思わず顔を上げて島袋を見た。その男性は荒くなった息のまま赤い顔で美紀を見て、すぐに目を閉じ、顔を背けた。そしてそのまま言った。「美紀さん、バックからしても……いいですか?」
 えっ? と言って美紀は脚を閉じた。
 島袋は薄く瞳を開けて美紀に顔を向けた。「僕、バックスタイルが好きなんで……」
 美紀は哀しそうな目で島袋を見上げ、申し訳なさそうに言った。「ごめんなさい、島袋さん、あたし、それは……」

 少しの間唇を噛んで美紀を見つめ返していた島袋は、ふっとため息をついた。
「ご、ごめんなさい。僕の方こそ。初めて会ったのに、そんなこと要求するなんて、やり過ぎですね」

 島袋は再び美紀の両膝を手で包み込むようにして、ゆっくりと両脚を開かせた。そしてベッドに腹ばいになると口を秘部に近づけ、舌先でその谷間をなぞり始めた。
 生まれて初めて経験するその感触に、美紀は思わずのけぞり、言葉にならない声を上げた。
 島袋はしばらくその行為を続けた。美紀の身体はまたどんどん熱くなっていった。

 いつしか美紀の秘部からは雫が溢れ始めていた。島袋の唾液と混ざったそれは彼女の脚の付け根を温かく伝い降りていった。
 島袋はゆっくりと身体を起こし、美紀を包み込むように抱いた。そして唇同士を重ね合わせながら美紀の髪を何度も撫でた。
 しだいに美紀の身体の緊張がほぐれていくのを確認して、島袋はそのまま腰を浮かせ、再び美紀の身体の中に入り始めた。
 あっけなくそれは深いところまで到達した。美紀はああ、とため息をついて両腕を島袋の背中に回した。

 島袋は腰を上下に動かし始めた。美紀もその動きに合わせて身体を揺すった。
 二人の身体の熱さが増し、その全身には汗が光り始めた。
「ああ、島袋さん、あたし、あたしっ!」
 美紀は思わず大声を出した。
「み、美紀さんっ!」
 島袋も高い声で叫んだ。思わず美紀は目を開いた。彼は固く目を閉じて、はあはあと荒い息を繰り返しながら、何故か顔を背けて歯を食いしばっていた。
 二人の腰の動きが激しさを増し、間もなく島袋の喉元からぐううっ、といううめき声が聞こえた。その瞬間彼の動きが止まり、美紀は身体の奥深くに何度も脈動を感じた。マグマのように蠢いていた熱い感覚が美紀の身体中に拡がり駆け巡った。

 大きく息をしながら島袋は美紀に身体を預けた。流れ落ちるほどの汗をかいた背中を美紀はその手でそっと撫でながら呼吸を落ち着けた。
 島袋はそのまま美紀の肩越しに枕に顔を埋めたままくぐもった声で言った。
「とっても気持ちよかった……ありがとう、美紀さん」
「……はい」
 美紀がそう答えた時、島袋は不意に身体を起こして美紀の中からまだ萎えきっていない彼自身を抜き去った。
そしてその場に正座をして少し首をかしげて訊いた。「美紀さんは?」
 美紀は今の二人の行為で、身体は思いの外熱くなっていたと感じていたが、何か心から満足できなかったのも事実だった。それはおそらく初めての相手との繋がりだったからだろう、と半ば無理矢理自分を納得させた。
「はい。気持ち良かったです。とっても」
 そう、と言って島袋はにっこり笑った。相変わらず子どものように無邪気な笑顔だと美紀は思った。

「あの、」美紀は下着を身につけ直しながら言った。「島袋さんのケータイ番号、お聞きしてもいいですか?」
「うん。いいよ」島袋は脱いだトランクスを早々に穿き、ベッドを降りてソファに丸まっていたシャツを手に取ったところだった。彼はバッグから自分のスマホを取り出し、素早くタップを繰り返して、自分の電話番号を美紀に伝えた。
「あんまり頻繁に電話したりしませんから」美紀はその番号を自分のケータイに登録しながら言った。
 島袋は何も言わず笑顔を美紀に向けた。


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