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さくら色温泉
【その他 官能小説】

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さくら色温泉-1

『ただいま〜』

「あっおかえり!春菜っお風呂故障しちゃったから!お向かいの安藤さんとこはよ行っといで。」

部活から帰ってくるなりお母さんが お向かいにあるさくら温泉ーに行かせるため鞄を奪いながらお風呂セットを持たせてきた。

『ええ〜!イヤやなあ面倒臭い…』

「迷ってたら閉まるよ!はよ行ってきなさい。臭い娘なんかに彼氏はできんよ。ヒヒヒ」

からかいながら背中を押す母親にムスッとした春菜は、

『お母さんのあほ〜かっ彼氏が出来ひんのは女子校やからやもん!行ってきます!』

そう言い残し家を出て小走りにさくら温泉ののれんをくぐる。相変わらず昭和の雰囲気漂う銭湯で客足は近所の高齢者や貧乏学生など常連客のために未だ存在しているように思える。

(何年ぶりかなあ…懐かしいな)

ガラガラと女湯の扉を開けると 安藤さんとこのお婆ちゃんが番台に座ってた。
「あっ春菜ちゃんか。お風呂故障したんやてなあ」

『うん。久しぶりにお婆ちゃんとこのお風呂入らしてなぁ』
春菜は料金を台に置き脱衣所の真ん中のロッカーに荷物を置く。ここが小さい頃のさくら温泉での春菜の定位置だった。小さい頃の春菜は大きいお風呂が大好きでよくおねだりして来ていたのだ。

(何であんなにお風呂好きやったんやろ…あいつがいたからか)

よくお風呂に入っては安藤さんちの孫…ゆうきと一緒に入って遊んでいたのだ。でも高学年にもなると昔の仲良しだった関係も無かったかのように顔が合っても話さなくなったあいつ…

ふと見回すと時間も時間でお風呂には二人のお婆さんがいるだけだった。

(早くしないと…)
ブレザーの制服を脱ぎ始めピンクの下着に身を包んだ姿が銭湯の大きな鏡に映し出される。

(おっぱい…またでかくなったかな)

春菜の学校でのあだ名は パイ菜…春菜牛…など女子校らしく酷い呼び名となっていた。

「…何自分に見とれてんねん」

(…ゆうき!!)

春菜はバスタオルで体を隠した。そんな春菜を無視してゆうきは番台のお婆ちゃんに話しかける。

「お婆ちゃんもう遅いからおかんが代われやって」

「ああ…ありがとう。ゆうきはええこやねぇ。春菜ちゃんみたいな可愛い彼女がはよ出来たらええね〜ふふふ」
「いっいらんことゆわんでええねん」

番台から降りて来たお婆ちゃんは昔よりも小さくゆっくり出ていき春菜と会釈を交わした。


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