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海の香りとボタンダウンのシャツ
【OL/お姉さん 官能小説】

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出会い系サイト-4

 三人の男性。
 『一郎』。35歳。スポーツマンタイプ。身長175cm。細マッチョ。趣味、クライミング、釣り。
 『ヒロユキ』。40代。公務員。まじめなタイプ。早稲田大学出身。趣味、読書、音楽鑑賞、美術館巡り。
 『こうじ』。30代。趣味、水泳、マリンスポーツ。がっちり系。身長180cm。

「まあ、プロフィールに書いてあることが全部本当のことかどうかは疑わしいけど……」
 すぐに『一郎』から返事があった。
「早っ!」
 美紀はそのメッセージを開いた。

『会いたい。俺と甘い夜を過ごさない? 明日の夜8時でないと時間が空かないから。シネコンの前で紫色のジャケットを着て待ってる。絶対イかせる自信アリ。よろしく!』

「なにこれ……。エッチ目的ってのが見え見え。しかもあたしの仕事場のすぐ近くで待ち合わせなんかできるわけないよ。パスだな」美紀はすぐに返信した。

『あまりに急な展開で戸惑っています。ごめんなさい、今回はお断りします』

 そのメッセージを送信した後、ものの一分もたたないうちに『一郎』からメッセージが届いた。
『おまえもエッチしたくて会員になったんじゃないの? 俺なら100パー満足させられるんだけどな。ま、いっか。あーあ、ポイントを無駄にしちまった』

 美紀は低い声で呟いた。「最低……」

 後の二人『ヒロユキ』と『こうじ』は、メッセージの文も比較的穏やかだった。どちらの男性もしばらくメールのやりとりをしてお互いのことを知り合おう、というスタンスだったので、美紀も安心してメッセージのやりとりができると感じていた。

 『ヒロユキ』も『こうじ』もそうやってメッセージを送信する度におそらく持ちポイントを消費しているはずだったが、一人目の『一郎』のようにそれを惜しむような言い方をすることはなかった。そして数日の間、いくつかのやりとりをして、彼女はしだいにこの二人の男性と会ってみたいと思うようになっていた。つかみ所のないもやもやした不安に包まれながらも、美紀は自分の心の奥に結婚願望が確かにあることを認めざるを得なかった。
「お見合いと変わらないよね」
 美紀はペットボトルのお茶を飲みながら自分を納得させるように呟いた。

 美紀は自分の空いている時間帯を書いたメッセージの中に、こちらから連絡するので個人で使っているメールアドレスを教えてくれ、と書いた。相手がこの『ハッピーカップル』のメールを利用する度にポイントを消費することに気が引けていたからだった。ただ自分のケータイ番号はさすがにまだ教えたくなかった。彼女は二人の素性がもっと詳しく解るまでは、この出会いのためにわざわざ作ったウェブメールだけを利用しようと考えた。


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