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ヒューマン・ロール・プレイ
【調教 官能小説】

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〜 相談 〜-3

 ……。

 そうこうするうちに30分が過ぎました。 女性のお喋りはエンドレス、という事実を久しぶりに思い出します。 3人の相談は次第に脱線して、他の寮生の話にいきました。 私達Cグループからすれば、BグループはBグループですが、内部じゃ色々あるみたいです。 Bグループに何年も滞在している先輩は気難しくて、BグループになったばかりのB29番先輩たちは優しいとか、ありそうです。

 どちらにしても怖いだけだと思っていた先輩がキャッキャッとお喋りしているだけで、先輩方との垣根が下がっていくような気がしました。 まるで同じ女の子みたいで――あ、いや、同じ女の子なんですよね。

 そうこうするうちに、話は段々纏まっていきました。 人数が多いと大変なので、元々言いだしっぺの22番さんに、3人の先輩のうち手が空いている人が教えることになりました。

 部屋は3Fの相談室。
 科目は実技系の『書道』『美術』『音楽』『家庭科』『技術』『情報』の6つ。 
 芸術系の『書道』『美術』『音楽』は【B2番】先輩が。
 技術系の『技術』『家庭科』『情報』は【B22番】先輩が。
 月、水、金、土は部活があって疲れているため、時間は火曜・木曜の夕食後。

 相談室の使用には寮監への許可申請と寮長への報告が必要だそうです。 粗方話がかたまったので、【B29番】と【B22番】先輩は寮監のところへ話を通すべく、部屋から出ていきました。

 2人を見送った【B2番】先輩。

「あたしが先生役ですか〜……できるますかねぇ……う〜ん」
 
 困ったようにも、楽しそうにも見える表情です。 もうこの部屋は、いつもの私と先輩の2人きりになりました。

「あの……少しいいですか」

 ずっと黙っていましたが、勇気をだして手を挙げます。

「怜ちゃん?」

「あのっ……もしよければ、いえ、ぜひ私も特訓に入れてください!」

 吾ながら大きな声になってしまいました。

「ええ〜、怜ちゃんが? どうしてですか〜?」

「あの、私も22番さんと同じことを考えてました。 クラスの役に立ちたいなって、でも具体的にはどうしたらいいかわからなくて……それで先輩の話を聞いて、私も先輩方に教えてもらいたいと思いました」

 半分は嘘。 私が教わりたいのはクラスのためじゃありません。 あくまで私自身のためです。

 私の夢は『アイドル』です。 みんなに羨望の眼差しで見られたい。 吹けば飛ぶような、嗤っちゃうような目標ですけど、この社会で素直になりたいといれる唯一の夢。

 そのためには学園をただ卒業するんじゃなくて、スマートに乗り越えなくてはいけません。 教官たちから睨まれず、無難に過ごし、そして誰よりも優秀な生徒でなくてはいけません。 科目を先取りしてみんなが苦手な分野を練習できるなんて、願ってもないチャンスです。 そりゃあ授業が終わってクタクタで、夕食の後は少しでもリラックスしたい時間です。 それに、自分が言いだしたんじゃなくて、22番さんが作った機会に便乗するのはちょっと癪。 それでもチャンスはチャンスに違いありません。 

 どうせ教わるなら【B2番】先輩がいいです。 少しほんわかしていますが、先輩のことは信頼してます。 面識はほとんどありませんでしたが、【B29番】先輩もスラッとして、賢そうで、もっと近くにいきたいと思いました。 【B22番】先輩は……すごく端正な顔をしてて、でもちっちゃくて、はしこそうで……まあ、悪い人じゃないと思います。

 それに、気になるのが22番さんです。 彼女に興味が湧いてきました。 どんなことを考えているのか、これまでは番号が離れていて話す機会もなかったから、いい折です。 もし彼女が本気で学園の首席を狙っているなら、つまり私と同じことを考えているなら、遅れるわけにはいきません。 絶対に負けたくありませんし、負けるつもりもありません。

「まあ……あたしは構いませんけど……多分、部屋でのんびりする方が楽ですよ〜?」

「頑張ります! 一生懸命ついていきます!」

「はあ〜、怜ちゃんも熱心さじゃ負けてませんねえ」

 少し困った顔をしたものの、

「わかりました〜。 それじゃ『にっく』や『にに』には、あたしから言っておきましょう〜」

 【B2番】先輩はやっぱり大らかに認めてくれました。 
 グッ、心の中でガッツポーズです。

 次の訓練は、さっきの話では次の火曜日。 テーマは『書道』だっていxてました。 どんな内容なんだろう……22番さんはどれくらい出来る人だろう……ドキドキが半分、ワクワクが半分っていう気持ちです。 やるからにはしっかりバッチリ参加して、22番さんより色んなものを学んでみせます。


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