妄想 3-1
ちづるは、また、手首と脚の拘束が取れないか、確めてみる。
たがちづるの家のソファーは、肘掛けがソファーの足まで伸びて、輪っかを作っている。
取れる訳がなかった。
「ん!ん、ん、、ん!」
取れない、、。
や、だ、、。
本当に、取れない、、!
怖い、、!!
「ふ、、ん、んっ、、、」
時計を見る。
シャワーの音を、聞く。
『大丈夫。落ち着いて。』
タクミの声を思い出す。
ちづるは深呼吸をして、落ち着きを取り戻そうとした。
心臓はドキドキして冷や汗をかいている。
タクミ君、、
私が縛って、って言ったから縛ってるんだよね?
そう、絶対に そうだよ。
最初に別れるか、どうするかを私に決めさせて くれた。
甘い波が、また押し寄せる。
「は、はぁ、はぁ、、ぅ、」
でも、全部タクミ君の計算だったら?
タクミ君の話術で私を騙してたら?
ちがう
ちがう
私は、自分 で 選んだ
選んだ?
あたしが選んだって そう思い込むように タクミくんが 仕向けてたら ?
そこにまた、ローターの弱い快感が押し寄せる。
「は、、ぁあ、、ぁ、、」
ちづるの呼吸はどんどん浅く、早くなってゆく。
心臓はバクバクいっている。
「は、、はぁ、はぁ、、は、は、」
騙す、、って
なんの為に?
そんな事、、
18の子が できる訳ないよ
でも、、、それも あたし
分からないじゃない。
「はぁっ、はぁっ、は、ぁ、」
もう、、、
分からな い
ダ メ。
もう、考え たくない、、!
はやく きて、、。
タクミくん、、。
拘束され、甘い快感に、ひたすら堪える。
急激に、寂しさが押し寄せた。
胸がギュっと苦しくなる。
やだ。
こわい!
落ち着かなきゃ、、。
タクミくんは すぐ くる、!
すぐに、くる、!!
シャワー してるだけ、、!
本当にシャワー か な
分からない
でも
15分、だもん。
たったの 15分。
落ち着いて落ち着いて落ち着いて落ち着いて落ち着いて
「は、はぁ!はぁっ、はぁっ、」
ちづるは冷や汗をかきはじめる。
や、、だ、!
やっぱり
動けない の
や だ !
や だ !!
「ふ、、ん、ん、ん、んん」
また、身体をばたつかせる。
「はぁ、はぁーっ、はぁっ、はぁ、、
や、、だ、、は、はぁ、や、だ!
や、やだ、、」
ちづるは完全に気が動転している。
じたばたしてソファーから落ちてしまった。
左足があがっている。
ちづるは思いきり足を引っ張って、ソファーを動かそうとした。
ズ、ズズ、、
重いソファーは1センチほど動いた。
「はぁ、は、はぁ、、は!うっ、、」
手が後ろにある為、うまく力が入らない。
今度はソファーは動かなかった。
もう一度、動かす。
次は5ミリほど、動いた。
も、や だ!
こ わ い !
もう一度ソファーを動かす。
「ふぅ、、ん!ん!ん、」
足首は真っ赤になってゆく。
ちづるはいつの間にか泣いていた。
「くっ、、ぅうっ、、!うぅっ、ん、ん、ん、、!」
や だ !
た す けて 、、!
こ わ い !