愛と優しさ-1
親子連れや女子高生たち、それにカップルで賑わうデパートアスタ。そこで開催されているぬいぐるみ展の入り口でお地蔵さんのように佇む私。
「15分…。」
曇った表情で近くの時計に目をやる。すると細い針が既に3を指していた。
「ぬいぐるみ…かぁ、正直男の俺には全く興味はないけど…。柊さんが好きなら俺も好きになるかもしれないな。」
「楽しい休日にしましょうねっ♪」
昨日の帰り道でそう幸せそうに約束をしたのに…。
私の心はゆっくりと膨らむ風船のように、破裂しそうな気分だ。