Runa:「かもしれない」-4
それから、私は勇樹の声で少しだけ現実の世界へと意識がはっきりしていく。
「クッ…。」
え…?
「俺もイクッ!!」
そう言って勇樹は私の手を放して、おちんちんから温かい液体を私の胸にためらいもなく、浴びせる。
勇樹は、私の胸に液体をかけて、体は小刻みに震えていた。
「ハァッ…。ハッ…。」
息を切らしながら、私の隣へと腰を掛ける。
そして、持っていたカバンから、何かを取り出した。
「ごめんね。かけちゃって。」
そう言いながら、私の胸にかかった液体をティッシュで拭き取ってくれている。
どうして。私がイッてしまった後、絶対に勇樹に犯されると思ったのに、彼はそれをしなかった。
「なんか、変な顔してるね。」
勇樹はそう言って私の目を覗き込む。
「手紙にも書いてあったし、俺は彼女以外の人とセックスしたら、本当に浮気になっちゃうと思うから、しない。そのくらい、自分で抑えないとダメでしょ。でも、かけちゃったのは、まずかったかなぁ。」
彼はそう言って、自分の下着を履いた後、全裸で放心状態の私を見て、私が脱いだ着替えを集めて渡してくれた。
「変なの。」
私は思わず口に出してしまった。
「でも…。ちゃんと我慢してくれてありがと…。」
恥ずかしさと、もしセックスをされていたら、と思う少しの恐怖心で私の声は聞き取りにくかったのか、勇樹は
「え、なんて?」
勇樹は私の胸にかかった液体を拭き取る手を止めて、私にそう尋ねる。
恥ずかしいことを2度も言わせないで、と私は心の中でつぶやいた。
「とりあえず…勇樹君も誕生日おめでとう。」と言った。
そこからは、お互い自分の服を着る間無言になった。
オナニーが一段落して、落ち着いたせいか、ブラのホックもちゃんとつけられるようになっていた。
私たちは、着替えてしばらくベンチに座っていた。
すると勇樹は、私に肩を組んできて、
「とりあえず、連絡先でも交換しようよ。」
とスマートフォンをひらひらさせていた。
「かもしれない」終わり。