秘密の四角関係(4)-1
あの日から数日が経った。 街は梅雨を迎え、鬱陶しい日が続いていた。
「はぁ…」
友香は黒板から目を逸らし、大きく溜め息をついた。
──なんだかなぁ…
梅雨も影響しているのか、どこか憂鬱なのだ。
しかし、それだけではない。
友香の視線は、自然と悠也に向けられる。
「はぁ…」
友香はまたも溜め息をついた。
一方有美も、悠也の背を見つめていた。
──坂井君は私の事…
同じセリフが頭を回っていた。
友香や早紀には、まだ自分の気持ちを打ち明けられずにいた。
普通の関係じゃないだけに、言いにくい感があるのだろう。
何より有美が不思議に思うのは、早紀だった。
いくらSMのパートナーだからと言っても、特別な感情なしにそこまでできるのだろうか?
有美は雨が降り出しそうな空に目線を移した。
「で、明日は?」
屋上に寝転んだ悠也は、空を見上げながら問う。
「私、クラブがあるから夕方になるかも」
「私は休み」
有美は嬉しそうに、友香はつまらなそうに言った。
有美はバレー部、友香はバスケット部に所属していた。
どちらも大会上位に進出する種目で、有美はレギュラーでもある。
「ってことは、有美と早紀も夕方に来るのか?」
有美、友香、早紀は、必ずと言って言い程一緒に悠也の所へ行く。そして、土曜は大抵泊まるようになっていた。
「そうですね…有美は?」
「私は…」
早紀に聞かれ、有美は語尾を濁した。
「私は…」
ちらりと悠也の方を見て、目線を落とす。
「私はちょっとよる所があるから、二人で先に行ってて」
「そう、わかった」
有美の目線が再び悠也に向けられる。
その様子を見て友香は何かを感じ取っていた。
そして何故か、胸がキュンとするのだった。
「明日が楽しみだなぁ」
悠也が意味深な事をポツリと吐き出した。
「お前らも待ちきれないんじゃないか?」
実を起こし、三人を見渡す。
その目は、プレイを施している時の鋭いものだ。
「見せてみろ」
悠也は立ち上がると、三人にじりじりと歩み寄った。
三人はためらいながらも素直に従う。
校庭には、昼食を終えた生徒がちらほらと出て来ていた。
スカートの下は、何も身に着けていなかった。
これは事前に悠也が指示していたが、もう当たり前になっている。
「あぁ…」
悠也の手が友香の股間に伸びた。
そこはしっとりと濡れ、糸を引いた。
その指を早紀に向けると、早紀は舌で舐め取った。
そしてそのまま早紀の股間を撫で上げる。
「んん…」
さらにその指を有美の方に向けると、有美は早紀の愛液を口で清めた。
続いて有美の亀裂に指が伸びる。
「はぁあ…」
「お前たちはホントにいやらしいなぁ」
有美の名残を友香に舐め取らせながら、悠也がわざとらしく言った。
「ま、明日まで我慢しな」
悠也の声をかき消すように、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。