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【眠れぬ夜を抱いて】(コバ×ミキ)
【二次創作 官能小説】

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【眠れぬ夜を抱いて】(コバ×ミキ)-2

小林はガラス細工にでも触れるように美木の頬を伝う涙を優しくその指先で拭った



小林の指先が頬に触れるのを美木は震える想いで受けとめていた

この人の前では自分は普通の女の子でいられる
花華院の長ではなくてごく平凡な少女として、恋しいと想う人の腕の中で悲しいときには泣くことが出来る
あれほど重く被っていた筈の仮面さえこの人の前では簡単に剥がされてしまう

心が剥き出しになっていく

この暖かい優しく自分を包む腕の中でずっとまどろんでいたい

心の奥が熱い、こんなにもこの人を求めている

いっそこのまま何処かに・・・誰も知らない何処かに連れ去ってくれたらとそう思う事は許されないのかしら

だったらせめて・・・・
「・・・小林君・・・お願い・・・」
美木の声が震えていた、嗚咽のためなのか、それとも別の心の揺れのためなのか
頬はバラ色に上気し、涙で潤んだ黒い瞳にほのかな色香を漂わせている

「どうかしましたか?」
小林は瞬時に陥った心の動揺を押さえて、優しく訊ねた

「・・・私を・・・一人にしないで・・・せめて今夜一晩・・・一緒にいて・・・」
美木の腕が小林の首に絡みつくように伸ばされた

互いに見つめあう瞳の奥にくすぶり続けていた炎が燃え上がるのがハッキリと見て取れた

「・・・いいんですね?美木さん」
小林は唇を重ねながら囁やいた
そういいながらも、もう自分を抑えられそうに無かった


この腕の中で咽び泣く人を慰めるより、もっと泣かせてしまうかも知れない
それでも今この時を共有するのだ

「・・・ええ・・私を大人にしてください・・・・」
泣き声交じりの震える声ですがる美木を小林はそっと畳の上に横たえた

畳の上で帯をほどく衣擦れの音が聞こえる

その髪と瞳と同じに黒い着物
無理に大人びさせていた着物を肌蹴させるとまだ幼さを残した少女の恥じらいに満ちた白く輝く肉体が現れた

お互いに羞恥と緊張で頬を紅く染めていた

思わず息を呑んで小林は美木を見詰めていた
「・・・とても綺麗です、美木さん」

「そんなに見られると・・・恥ずかしいです」
慌てて小林は部屋の明かりを消した

庭に焚かれた篝火の明かりが窓から差し込んで二つのシルエットを浮かび上がらせた。

裸身となって初めて抱き合った。
ただ抱き合っているだけで互いの肌の温もりがこんなにも心を癒してくれるなんて知らなかった。


囁くような躊躇いがちだった口づけが心の高ぶりとともに深く熱く絡み合っていく
思考を止めて、息が出来なくなるほどに

愛に準じて目覚め始めた獣の本能がその腕に抱く少女の肉体を余すことなくまさぐった

ゆっくりと身体をずらし小林は美木の耳たぶを軽く咬んで、うなじに唇を這わせていく

「・・・・ん・・ああっ・・・」
全身を駆け抜けるむず痒さに似た感覚に堪らず美木の口から歓喜の声がもれた

なだらかな曲線をなぞって口付ける

吐息は熱く
荒くなる息遣いにまるで自分が別の生き物になったかのように感じる
触れるたびに熱を帯びるカラダ
駆け巡る疼きを吸い上げながら密着する肌の感触に心が燃え上がる

なだらかな二つの丘を両手で包み、その間に顔を埋めた
ドキドキと高鳴って聞こえている心臓の音が自分の鼓動に重なる

まるで壊れ物でも触れているように揉み解しながらその片方の先端部分を口に含んで舌先で転がしながら吸い上げた

美木は身じろぎしながら小林のされるがままとなっていた
小林の手で触れられるだけでどんどんカラダの芯が熱くなっていくように感じる
口付けされるたびに秘部が湿り気を帯びていくのがわかった
眩暈がするほどに愛されている実感があった

欠け落ちた心の隙間を覆い隠すように与えられる愛に溺れていった


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