2人のそれぞれの衝撃-4
しかし、しばらくして春奈が寝付いたのを確認した拓哉が、勃起したモノを響子の顔の前に差し出してきた。
(もう、自分だけ…)
初めは無視してたが、肉棒で何度も頬を突つかれたので、響子は仕方なくそれを口に含んだ。
「ううっ…」
仕方なく口に含んだ響子だったが、拓哉の気持ち良さそうな顔を見ていたら中断することはできなかった。拓哉の急所は知り尽くしていた響子は、そのまま肉棒を刺激し続けた。
しばらくの間、チュパチュパと奉仕の音と、拓哉の呻き声がしたが、響子の大きな喘ぎ声と比べるまでもない。それくらいの音では春奈は身動ぎもしなかった。
「くくっ、出すぞ…」
拓哉の言葉を聞いた響子は、肉棒を口に含んだまま一層激しく顔を上下させた。
「ぐうううっ…」
拓哉の呻き声とともに、響子の口の中一杯に青臭い芳香が広がった。肉棒の下部を包み込むように宛がっていた舌先で、ビクッ、ビクッと射精の脈動で震える感触を楽しんだ。
その脈動が収まると、響子は肉棒から口を離し、口の中に溜まった迸りを拓哉に見せた。満足そうな拓哉の顔を見ながら口を閉じると、響子はその青臭い液体をゴクリと飲み干した。勿論後から鈴口に出てきた精子も、綺麗に舐め取ることも忘れなかった。
「美味しいわ」
響子は自身の不満を出さずに、にっこりと微笑んだ。
響子はこうすることで、拓哉が興奮することを知っていた。今日はできなかったが、この興奮が明日のセックスに繋がると思った響子は、不満を押さえながら、更にアピールするように、自身の唇に付いた精子の残滓をやらしく舐め取った。
こうして、くぐもった声しか出さない拓哉だけは、響子のフェラチオで抜かれてスッキリとしていたのだった。
本来ならば、たっぷりと中出しされた翌朝のこの時間は、充実感に満ちて家事をしているはずだったが、口に出された拓哉の精子の味を思い出しながら、悶々とした響子のオナニーがしばらく続いた。
小一時間ばかり自身の行為で身悶えした響子は、シャワーを浴びた後でようやく家事を始めた。
しばらくノロノロと体を動かす内に、徐々にいつものペースを取り戻した響子は、布団を干し、掃除、洗濯、洗い物を手早く済ませてから一息ついた。
「ふう、紅茶おいし…」
小指を立てて、お気に入りのアールグレイのストレートを楽しむ姿は、さっきまで淫部弄って淫らに喘いでいたとは思えないほど、とても清楚な奥さまぶりだった。
響子は寛ぎながら、今晩の献立と、他にしなければいけない予定を思い浮かべていた。
「そうそう、クリーニングも出さないと…」
季節の変り目、拓哉のスーツをクリーニングに出さなければいけないことを思い出した。いつもの響子ならば、その性格上、思い付いたら直ぐに対処しないと気が済まなかったが、今は腰を落ち着けて、ほっこりを堪能することにした。
少し冷めた紅茶を2、3口啜り、ホウッとため息をついた。
その後、読みかけの小説を読んでから、軽めの昼食を摂り、ワイドショーで気になる話題を見ていたら、もう春奈が帰ってくる時間になっていた。
「いけない、もうこんな時間だわ。クリーニングに出す物用意しとかないと…」
慌ててテレビを消した響子は、狭い洋間に入り、春奈の学習机の横に並ぶ洋服タンスを開けて、吊り下げられていた数着のスーツを取り出した。
少しだらしなさのある拓哉のスーツには、小銭やレシートなど、何かしらの小物が必ず入っているのが常だった。ポケットの中を確認し、入れっぱなしの小物を出していった。
「もう、だらしないんだから」
出てきた噛んだ後のガムの包みをゴミ箱に捨てながらぼやき、胸の内ポケットに手を入れた。指先に触れたカード状の物も引っ張り出したが、それを見た響子の動きがピタリと止まった。
出てきた物は、際どい服を着た若い女の姿が映ったファッションヘルスの名刺だった。女性週刊誌をたまに読む響子は、ファッションヘルスが何であるかは知っていた。
ワナワナと震えながら名刺を裏に返すと、響子は更にショックを受けてしまった。
手書きで『また指名してね♡サユリ』と書かれていたのだ。