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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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愛=永遠?-1

どうも、憲です。
一応、主役に帰り咲きました。


『愛=永遠?』


「なぁ、憲」
ここは白雪の部屋だ。
現在、まったりお茶を飲みながら煎餅を噛み砕きつつ、『三匹が斬る!』を鑑賞している。画面では高橋英樹と役所広司と春風亭小朝が悪役相手に暴れてる。
そんな時に、白雪は声をかけてきた。おかしい……。こういう時の白雪はこっちが話しかけても全く聞いてないぐらいに熱中してるのに。
「どうした?」
白雪の方を見ると、何処か言いづらそうにしつつ、それでも言おうとしている複雑な顔をしていた。
「あ、あのな…」
「……?」
いつも、言うべき事ははっきりと、言わなくても良いことまではっきりと言う白雪がこんな感じになる時は、大抵俺が関わってるか、言うのがかなり恥ずかしい事だろう。
「……はっきり言わないと、わからんぞ。俺はテレパシストじゃないからな」
「わ、わかってる!……あのな………婚……」
顔を真っ赤にしながら言う白雪だが、肝心の単語が聞き取れなかった。
「へ……?何こんだって?」
「だ、だから!…婚って……どう思ってる!?」
「……悪い。もっかいはっきり言ってくれ、聞こえなかった」
「〜〜〜〜!!結婚って、どう思ってる、って聞いたんだ!!!」
……………………はぁ!?
「けっこん!?けっこんって、あの『結婚』?」
聞き間違えじゃないよな。
「それ以外に何がある!?」
「いや、『血痕』って字もあるし」
「……作ってやろうか、血痕」
「エンリョシトキマス」
ちょっとおふざけが過ぎたか。
「しかし、何でまた結婚なんて単語が」
「出てくるのか、って言いたいのか?」
白雪が俺が言おうとした言葉を先に言う。
俺は無言で頷く。いや、驚いた驚いた。
まぁ、俺だって夢見る漢だし。そういう想像(と言うか妄想?)したことだって無いと言えば嘘になる。
しかし、白雪からその単語が出るとは想像してなかった。まぁ、白雪も夢見る乙女なんだろうな。
だが、理由がわからん。さすがの白雪も高校生で『結婚しろ』なんて言わないだろうし。いや、言うかもしれん……。
「……この前、従姉妹の結婚式に行く、って言ったろ?」
「ん、そういやそんな事もあったな」
どうやら結婚を迫るつもりはないらしい。…当たり前か。
話を戻そう。
ついこの間。正確に言うと十日前に、白雪は従姉妹の結婚式に出席したらしい。母方の従姉妹で、随分と可愛がってもらったお姉さんの結婚式。
「でな、その、ドレス姿が…」
「綺麗だった訳か」
コクンと、白雪は頷いた。
「それに、教会から出る時、すごく…」
「幸せそうだった訳か」
また頷いた。
「あと……ブーケ」
「もらった訳ね」
ここまでくりゃ、白雪の封印されし乙女心が復活もとい刺激されても仕方ないっちゃ仕方ないな。
「だからな、結婚って……良いなぁ、って思ったんだ。愛してる人と、ずっといるようになる……」
白雪はまさに夢見る乙女のように瞳を輝かせた。
「まぁ、離婚する夫婦もいるけどな」
「……なんで、そんな夢を壊す様な事、言うんだよ」
「結婚について話し出すから、俺も結婚について話しただけだ」
「む〜……」
白雪はふくれっ面を作って俺に抗議する。


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