〜 保健・挙措 〜-3
和式便器全体を山盛りのウンチで満たしただけでは足らず、最後は腰を持ち上げながら、便塊の上に便塊を落し、うずたかく積み上げてゆく彼女。 最後まで身体を揺らしたり、息んで震わせることもなく、淡々と物静かに排泄を終えました。 見事な固便だったためか、お尻の穴を拭うことも無く、便座の脇に屈みます。 そして、トイレの水洗レバーを押すと、勢いよく水流が溢れ、便座にたまった茶色い塊を一掃しました。 水が流れた後には、まるで何もなかったかのように、元通りの便座があります。 彼女はもう一度カメラにお辞儀し、ここで映像が消えました。
「学園のトイレにはこれだけの水洗力とキャパがあるから、お前たちも遠慮なく大量にくっさいウンチしても大丈夫よ。 ただ、絶対零したらダメ。 彼女の凄いところは、全部流れきるように計算しながらウンチをだしたとこなんだけど、ちゃんと気づいてる? 流した後の便器、洗ったばかりみたいに綺麗だったでしょう」
諭すように教官がおっしゃいます。 言われてみれば、確かに、と思います。
でも、この映像を、私達が再現するんですよね? こんな人並み外れた動作なんて、とても再現できないんですけど……。
「あと二つ見せるからね〜。 そーれ、ポチッとな」
画面が切り替わり、映ったのは『土俵』です。 真っ赤な褌をした胸が大きな女性が、土俵の真ん中で第2姿勢に近い態勢をとり、深々と腰をおとしてしゃがんでいました。 バストサイズはカップでいうとどれくらいでしょう。 私が今まで見た中で一番大きいです。 G、いや、HかIくらいはありそうです。
「女相撲の大関が土俵入りするところよ。 ちなみに土俵だけど、砂丘の砂をオマン汁で濡らして固めて盛ってあるのよ。 工機は一切使わない、100%手作りなんですって」
ズイ。 片手を挙げて片脚に重心をかけ、反対の足を構えたままグッと持ち上げるます。 股間を覆っていた褌が喰い込み、恥骨の輪郭が浮かび上がってきました。 そのまま足を更にもちあげ、土俵と垂直近くまで高く掲げてから、よいしょお〜ッ、勇ましい掛け声に押されるように四股を踏んだのです。 衝撃がカメラを通じて伝わってきそうなくらい、一連の動きに迫力がありました。 零れるような双乳が踊り、うねるように胸で弾みました。
四股の次は、競り上がりというそうです。 片手を胸の前に水平に保ち、もう片方の手で、掌が上になるようにズズズズッと空気を押しています。 不思議なことに、上半身も下半身も殆ど動いていないのに、乳房だけは山なり谷なりで揺れていました。 というか、乳房だけが四股の衝撃が冷めやらぬように、四方八方に弾んでいます。 しかも先端から振動のたびに飛び散る液体は、一瞬汗かと思ったがそうじゃありませんでした。 乳首から溢れた白い母乳が、静かな上半身と対照的に暴れまわって、土俵に降り注ぎます。
「女相撲はね、位が上であればあるほど、沢山の神様に供物をささげる義務があるんだって。 で、型でもって敬意を示し、四股でもって自分の性器の鍛え具合を示し、おっぱいでもって感謝を示すの。 あとでやってみたらわかると思うけど、振動を乳房だけに残しておいて、他は静かにせせりあがるっていうのは、生半可じゃ無理だよね」
ブルンブルン、タユンタユン。
ピタッと全身が静止する一方、一向に収まりそうになく乳房が烈しく波うっています。 そうしておいて、また今度は反対の足を挙げ、ズシン、勢いよく四股を踏みました。 四股は、合計4回。 映像が始まってから四股が終わるまで、時間にして2分弱の間、一瞬たりとも乳房が休むときはありませんでした。
「今の映像の一番凄い所は、パッとみただけじゃわからないんだけど、お前たちに分かる? もし当たったら成績に反映してあげるから、誰か意見あれば遠慮なく手をあげていいよ」
映像が終わったところで、8号教官が私達に水を向けました。 『成績』と聞くと、ビクッ、背筋がシャンとなります。 幼年学校時代から点取り虫さんな私にとって、『成績』という単語は特別な意味があります。 どうしよう、目立ちたくないけど、でも成績は上げたいし、アイデアがあるわけじゃないけどダメ元で何か言ってみようかな……と内心葛藤している間に、
「わっからないだろうなあ。 あのね、彼女の乳房は、手術や人工要素じゃないの。 自分で毎日強く揉みしだいて、あそこまで大きくしたんだよ。 それより大変なのがおっぱいね。 普通は生理的に条件を満たさないと母乳はでないでしょう。 どうしても出すときはホルモン注射で無理やりだすのよね。 だけど、彼女たち『相撲取り』は、頭の中で強く強くイメージして、身体の内分泌器官まで思い通りに動かして、薬なしでおっぱいを出しているの。 いわゆる『想像妊娠』っていうのかな、身体内部をコントロールするレベルでイメージトレーニングしているんだって」
誰も手をあげない中、教官が正解を教えてくれました。 耳を疑う内容に、けれど、疑問の余地はありません。 すごいというか、無茶苦茶というか……。
「最後の1つ、いくわね」
フイッ。
舞台のような広い場所に小柄な女性が立っています。 驚いたことに、彼女はそれまでの女性が全裸、ないしそれに近い恰好だったのに対し、艶やかな着物を身につけていました。 髪は大きく盛って留め、楚々とした佇まいで俯いています。
「和様『舞』の家元よ。 動きのプロというなら、激しい動作よりも、ゆっくり動かす方が難しいわ。 甘さや弛みがすぐにわかっちゃうからね」