可憐な彼女-5
それにしても莉菜ちゃんはなんでこんな男(俺の兄貴だけど)と付き合ってんだ?
もっといい男が他にいそうじゃねぇか?
例えば俺とか・・・。
ちょっとイラついて来ちまう。
「じゃあ大地君のお店には友達誘って今度行くね。」
「そうだね、友達と行っておいでよ。あ、バス停はこっち。じゃあ大地。」
「またね、大地君。バイト頑張ってね。」
莉菜ちゃんは天使のような笑顔で俺からバーの名刺を受け取って、バス停の方に兄貴と行ってしまった。
俺は二人の姿が見えなくなるまで、柄にもなくその場に立ち尽くしてしまった。
この日から俺の心の中に莉菜ちゃんが住み着いてしまって、彼女の笑顔が脳裏から離れないんだ。