可憐な彼女-2
そんなんで俺がバイトに行く準備をしている時に、兄貴が彼女を連れてきた。
母さんがせかすようにリビングに降りて来いと、俺の名前を呼んだけど、俺ははっきり言ってめんどくせーと思っていたから、気だるそうに階段を降りてリビングへ入ったんだ。
でも、兄貴の隣にこじんまりと立っていた彼女を見た瞬間、俺の脳内は花畑が溢れ出した。
「森垣莉菜です。よろしくね。」
そういって莉菜ちゃんは俺に笑いかけた。俺は一瞬言葉を失ってしまった。
彼女は今まで俺の周りに集まってくる女の子たちとは部類が違った。清楚で、可憐な癒し系の女の子・・・俺が本当に求めていたのはこの子だ!!!とすぐに思ったんだ。
それから俺たちは莉菜ちゃんが作ってきてくれた、ケーキを食べた。手作りの菓子なんて貰い慣れていたけど、彼女の存在に圧倒されてあんなに味を思い出せない食べ物なんて初めてだった。