デビルサマナー ソウルハッカーズ外伝-4
「ま、待ちなって」
「で、でも…わたくし、やはりどこかが…」
「そう急いで結論出すなって」
仕方が無い。ここは一から教えていくしかないな。
「ほら…こうしていれば落ち着くだろう?」
それだけ言ってオレは優しくメアリを抱きしめた。再び体を硬くしたが、すぐに力を抜いて身を委ねてきた。
長い静寂。部屋には時計の時を刻む音と、そして相手の鼓動だけが聞こえていた。
「あっ………」
「………どう?」
「もう辛くありません。それより、なんか…」
「それより?」
メアリの眼差しは潤んでいる。身体もわずかに震えている。
「いい…気持ち、です……」
綺麗に手入れされた髪は夜の海の如く漆黒に光を跳ね返し、甘い香りを漂わせる。
もう…我慢の限界。吸い寄せられるように再度唇を重ねていく。
激しく求め合った。甘美な粘液と共に舌先を狂おしく動かして、メアリの口腔を音を立てて舐めしゃぶる。舌端を吸い上げ、甘ったるく吐息を送り込む。そうしながらオレは右手をゆっくりと小ぶりの胸に持っていった。初めは触れるか触れないかそうっと、やがて底から持ち上げるようにして揉みしだいていくと、メアリは小さく鼻を鳴らした。オレもまた、乳房を包み込んでその手触りを愉しみながら片手でヒップの丸みを味わううちに呼吸を荒げていく。
「メアリ…良いかい?」
「はあ……すごく…変な、感じ…です。気持ちよくて、胸が…触られてるところが暖かくて……」
「そう?なら、服を脱いで。これから、もっと気持ちよくしてあげるから」
「……はい」
メアリはするすると服を脱いでいく。エプロン、ブラウス……。
少しづつ肌が露になっていくにつれ内側でブラジャーのレース刺繍の縁取りが悩ましくちらつく。
下着は黒を基調としたいつもの服装と対称に純白だった。眩い光沢に満ちたナイロン地のブラカップとお揃いのハイレグショーツ。きっとヴィクトルのオヤジの趣味に違いない。奴のムサいヒゲ面を連想すると萎れかけたが、そんな俺の目にすらりとした脚線美がなんとも悩ましく飛び込む。
一連の動きは否が応も無くオレの欲情に火を点ける。つい鼻息が荒くなっていたようで、その音を聞いたメアリは恥ずかしげに目を逸らした。その仕草がまた、可愛い。
ブラジャーを外し、最後にショーツを抜き取る。メアリはついに一糸纏わぬ姿になった。彼女はその両腕を胸と下腹部に回し、大切なところを隠している。そのままでメアリはオレに尋ねてきた。
「あの…風呂彦様……わたくしの身体…変では無いですか?人の身体と違うところが……ありますか?」
オレは答えない。無言のまま眼前の少女の全身を見つづけている。
美しい。
陶器を想わせる艶やかな肌。小さ目ながらもツンと上を向き、弾力のありそうな双丘。くびれきった腰。真っ直ぐ伸びた太ももの、若々しい張り具合。まるでギリシアの彫刻を彷彿とさせる裸体が、夕日のライトアップを受けて立っている。
「変じゃないよ。とても、綺麗だ。」
メアリは返事する代わりに、とびっきりの笑顔を見せてくれた。