幼馴染の陰謀-2
空に雲がかかり、灰色の外。皆が楽しそうに下校をしていき、私もそうする、だけど独りで、友達や恋人と肩を並べるでなく。
「佐伯君、一条君、巴ちゃん。」
佐伯君にメールで「会いたい」と打つも、ただ一言「ゴメン…」と。学校で目が会うも
すぐに逸らされ。
こうなったら一条君に電話しようか、普通に出るだろうし、今の状況を説明して、戻って来てもらって…。
いや、そんなの駄目だ。一条君だって悩み考え決意したんだ、第一そんな事したら
巴ちゃんに何て言われるか、今の彼女から佐伯君を取り返すのより酷い。
不意に電池の切れた玩具のように気力を失い、その場で立ち尽くす。
今日は誰とも会話をしていない、今朝の巴ちゃん以来ほとんど。休み時間は寂しく図書室へ大した理由もなく行き、給食も誰かと机をくっつけるでもなく一人ポツンと。
「うわっ、雨!?」
「聞いてないよーっ!」
落ち込む私に無慈悲な雨が降り注ぐ。
「ほらっ!私傘持ってきたから、入んな。」
「おっ、サンキュー!」
楽しそうに下校するクラスメート。
傘を差す気力もない私、時より好奇の目で見られるもどうでも良い。
雨は情け容赦なく降り注ぎ、私を追い込む。
川の流れのように歩く人々。
休み時間も一人、給食も一人、これじゃーまるで…。
入学したての時と同じ。
そう思うと胸が強く締め付けられる。
「…う、ううっ‥…。」
巴ちゃん佐伯君とは関われない、一条君には電話をしてはいけない。
私は、独りぼっち。
一体、どうしてこんな事に…。
「大丈夫?」
「!?」
頭上に雨の感触が無くなり、振り向くと風馬君が。
「どうしたの?こんな所に居ると風邪引いちゃうよ?」
「………。」