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「その日、俺がフラれたって話しを皆にしてたら、真子ちゃんが
一緒にその理由を考えてくれるって言ったんだよね」
「はい」
「あのフラれるってね―――・・・プレゼンの事なんだ」
「え?」
「営業の言い方で、プレゼンに採用されない事をフラれるって言うんだよ」
「・・・」
「フラれたのはプレゼン。女の子にじゃないんだ」
「プレゼン・・・」
真子ちゃんはじっと、俺の目を見て話を聞いていた。
「結果的に騙したようになってごめん」
「フラれるって、女の子に、じゃないんですか?」
「うん」
「あ!じゃぁ私が・・・酔って清水さんとエッチした翌日。モーニングを食べた喫茶店で
清水さんは好きな人がいるといいましたよね?その好きな人って・・・」
「真子ちゃん。君のことだよ」
「・・・」
考えるようにうつむいたその瞳に、今後俺はどんなふうに映るのだろうか。
「あの・・先日、清水さんと柳下さんが廊下で話しているのを聞いてしまって」
「うん」
「フラれないように頑張るって。柳下さんが清水さんにそれを私に言ったのか?って」
小さい声で、俺に確認する。
「フラれないように頑張るのは、明日のプレゼン。今回は勝ちたいんだ。
柳下が真子ちゃんに話せって言ってたのは、この誤解を解けって意味」
「・・・・」
「昨日、いつもの居酒屋で全部話そうとしたら
真子ちゃんは、全部知ってるって言うから。どこでばれたんだろうと思ってたんだ」
あ・・・と真子ちゃんは顔をあげて涙のたまった瞳で俺を見つめた。
「私は、応援すると言ってそれで清水さんと知り合えたので
最後まで清水さんの好きな人のために応援しなきゃいけないと思っていました」
「うん」