初体験-12
「――――で、どうなったの?その後、修さんとは。」
ゆかりがキラキラと目を輝かせながら続きを促した。
「彼とはそれっきり。」
「はーーーっ?!それって思いっきりやり逃げじゃん!さいってー、オサム!」
「あ、エッチしたのがね。最初で最後って事。」
「彼とは付き合ってないのにやっちゃったってこと?」
「そう・・だね。でも私は後悔してないよ。彼の事愛しく思ってた。」
「えーーー?なんか腑に落ちないな。なんか遊びなれてる感ない?
他に彼女いたのかな?」
「さあ・・・わかんない。」
「も〜、奈々ちゃんって意外と行動派だね。」
「そうかも・・・。言われてみれば思い立ったら突っ走るタイプだ。」
「今気づいたの?奈々ちゃん天然だもんね。で、それでその後は?」
「それからすぐ・・・、卒業式を待たないで彼はドイツに行っちゃったの。
私さ、空港まで見送りに行ったんだ。そしたらね、君は立派な看護師になれるよって。
未来は助からなかったけど、これからたくさんの命を守ってあげてって。
僕も君に負けないように海外で頑張るよ。って言ってたな。」
「ふーーん・・・。そうなんだ。彼とは今も連絡とってるの?」
「ううん、それから研修始まったりしてなんだか疎遠になっちゃって、
もう連絡先わかんないんだ。
なんだか懐かしいな。あ、そういえばCDどこやったんだったかな・・・?
引っ越しの時捨ててはいないと思うんだけどなぁ。」
と奈々子はCDラックを探しに行こうとした。
「ちょっと待って!私が一番聞きたかったのは、やっぱり初めてって痛いって事?」
「えっ?う・・・ん。そうだったと思う。」
「やだ、やだ!痛いの嫌だ!やっぱムリ!!!」
「大丈夫だって、心配しなくっても。豹介君が好きならなんとかなるよ。
それに豹介君だってゆかりが怖がってるなら、無理にしようとしないんじゃない?
豹介君、ゆかりのこと大事に思ってるんだから・・・。」
「え?そうなの?豹介、なんか奈々ちゃんに言ったの?」
「い、いや。あの、、、」
奈々子は口ごもってしまう。