疑惑-3
奈々子は急いで仕事を終え、パパッと私服に着替えて再びロビーに戻った。
「さ、行こうか。駐車場まで歩ける?肩貸そうか?」
「大丈夫、大丈夫。」
豹介はいきなり照れたように、ブンブンと手を振って一人でヒョコヒョコと歩き出した。
奈々子たちはゆっくりと駐車場まで向かった。
「奈々さんって車運転するんだね。かっこいいじゃん。」
「夜勤の時だけね。あ、家ってどこ?」
「旭町。」
「旭町かぁ。私あの辺よくわかんないんだ。
ちょうどうちと反対側だし。家の近くになったら道教えてね。」
「オッケー」
そう言って奈々子は車を発進させた。