疑惑-10
二人はクラスメイトだったんだ。
それで仲良くなって、自然に俺もゆかりとつるむようになってさ。
俺はゆかりに一目ぼれしたんだ。
身体に電流が走ったっていうの?そんな感覚。
俺はすぐにゆかりに告ったよ。
断られても諦めない!って思ってたのに
返事は即OKだったから、あん時は拍子抜けしたの覚えている。
でもゆかりと付き合いだして、しばらくして気がついたんだ。
葵の事。
あいつのゆかりを見つめる顔がさ、俺と同じなんだ。
ゆかりを愛おしそうに見つめる顔が・・・
それから周りに探りいれたらさ、俺がゆかりを知る前に、
あいつら二人きりで図書館やら、放課後の教室で頻繁に会っていたって。
そんな様子を見た奴らは、ゆかりと葵が付き合ってると思っていたってさ。
俺と付き合うようになってから、二人きりでいるのは見たことがないけど、
俺はそれ以来不安なんだ。
いつゆかりが葵の元へ去っていくかと思うと・・・。
だって葵はあの通り、顔がいいだろ?ゆかりだって綺麗だからさ
あの二人が並んでいると、本当お似合いっての?
俺がゆかりの隣にいていいんだろうか?って思ってきちまってさ・・・。」
そう言って豹介は俯いてしまった。