ス-6
「社内合コンに誘われたので行くことにしたんです」
「ちょっと待って・・・ちょっと俺の話も聞いてくれよ」
「いいえ。言いたいことは知ってるんです」
「え?」
「もう二人で会うのは終わりにしましょう。
清水さんは素敵な人です。次の恋は上手く行きますよ」
「・・・・」
清水さんは私をじっと見つめた。
「今日までありがとうございました」
私は軽く頭を下げて、カバンを手に持った。
「真子ちゃん」
そう清水さんが止めるのも構わずに、私はお店を飛び出した。
清水さんに決定的な言葉を言われるのが怖くて
もう、あそこにはいられなかった。
話を聞いてほしくて
家に帰ってから、泣きながら何度も美咲に電話をしたけど
美咲の電話はずっと繋がらないままで。
私は一人でずっと泣いていた。