Girl Meets Devil-1
真夜中の学校。
漆黒の衣を纏った男がジャージ姿の女に問う。
「汝に問う。汝の願いは何か?」
「……」
女はその問いには答えず、ただ目を見開いている。
「…汝の願いは何か?」
痺れを切らしたかのように男はもう一度女に問う。
女はおずおずと口を開く。
「どんな願いでも?」
「ああ、どんな願いもだ。さあ、汝は何を望む?金か?復讐か?地位か?名誉か?汝の心に巣くう欲望を答えよ!」
女は答えた。
「……えっと、ひとまず保留で!」
「………はあ!?」
今度は男の方が目を見開いた。
…………
…………
何故こんな会話が学校で、しかも真夜中に行われているのかと言うと話はほんの一時間前に遡る………
……
…
「ふぅ〜、風が気持ちいい〜。」
初めまして。私は『ヒイラギ アカネ』、漢字でかくとこう。
【柊 茜】
今の時刻は、午前零時。
勉強から気分転換するために今こうして散歩中。
やっぱり夜の散歩はいいなぁ。静かだし、それに自分の住んでる街の昼間とは違う顔が見れて楽しい。
ん?此処は我が母校『私立誠蓮学園』じゃないか。
いつの間にかこんな所に来てたのか。
あれ?誰かいる?校庭に模様みたいなの書いて何やってんだ?
まあいいや。何か面白そうだから見てみよーっと。
「∫¶※∇……」
本当に何やってんの…?
何か訳分かんないことブツブツ言ってるし、校庭に模様みたいなの書いてるし…う〜む…この場合、警察を呼ぶべきかそれとも救急車を呼ぶべきか…
おっと!こっちに来た!やばい、気付かれたのか?
……いや、帰るみたいだ。
顔は暗くて分からなかった。
それよりも、何だろうアレ?
見たところ意味不明の幾何学模様のようだけど……
もう少し近くで見てみよう。
う〜ん…近付いたものの益々意味分からん。
でも、コレなんかB級映画の悪魔召喚の儀式みたい。
「悪魔よー、いでよー…って出てこられても困るんだけどね。」
その時だった…
パキィン……
「えっ……」
何かが割れるような音がした。
見ると幾何学的な模様の上をまるで水が水路を流れる様に光が走っている。