Girl Meets Devil-3
「いいよ。契約する!」
「そうでなくては。では契約を始めるぞ。」
「えっ?私は何すれば……むぐ!!」
まさかだと思った。
有り得ないと思った。
信じられないと思った。
この悪魔、私の唇を奪いやがった!!
「んっ…」
「これで契約完了だ。何だ?」
「……くも……との……すを……」
「どうした?」
ぷつん…
自分の頭の中の何かが切れた。
「よくも、人のファーストキスを!この悪魔ぁぁ!」
そう言って拳を振り上げ殴りかかったが、悪魔野郎はひょいっと身を交わしやがった。
「何だお前ファーストキスもしたこと無いのか?」
「五月蠅い!うるさあああい!…うぅ…ファーストキスは大事にとっておこうと思ってたのに…こんな…こんな悪魔なんかにぃ……うぅ…」
「悪魔だからって差別はよくないぞ?それにいざとなったら俺が嫁に貰ってやろうか?」
「ふぇっ?」
そう言ってニコッと笑う悪魔に不覚にも私はドキッとしてしまった。
「嘘だ馬鹿者。どうした?顔が赤いぞ♪」
「五月蠅い!やっぱりお前は悪魔だ!」
「悪魔、悪魔言うな。俺にはちゃんとした名がある!」
「えっ?何て言うんだ?」
「……と言う。お前も聞いたことあるだろう?」
その名を聞いて、正直驚いた。
コイツの正体は元大天使でありながら、神に逆らい地獄へと落とされた悪魔の王。
小説やゲーム、漫画の中にも出て来る程の知名度。無論、私も知っている。
そうコイツは悪魔王『ルシファー』と名乗った。
これが、私とコイツの出会いだった。
続く………