日常の中の非日常-6
「止まってからどのぐらいたったろう?」
弘は襟周りを指で広げる
「停止から3分14秒です」
「まだそんなもの?10分ぐらいたったかと…なんか、息苦しくない?空調も止まってる?」
「エレベーターのシステムにアクセスしてみます」
「そんなこともできるんだ」
弘は感心しきりだ。
里菜はエレベーターのシステムにアクセスする。
「空調止まっちゃってますね」
「やべー窒息する!エレベーター内の空気って二人で何分持つんだ?」
弘は目に見えて動揺してる。
「エレベーターの安全対策のサイトで確認したら、エレベーターは構造上、窒息しない作りになってるそうです。付け加えて言いますが里菜は呼吸してません」
「そうなのか…?でもなんか息苦しいな」
「多分精神的なプレッシャーからだと思います」
「助けが来なかったら…俺達がここにいることを忘れられていた。そうだ!システムにアクセスして再起動できないか?」
「外部からコントロールできない構造になってます」
「…だめなのか」
弘は焦っているようだ。