元カレの秘密-4
「もう帰ってくれよ、今日は駄目だって!!」
「ひどいよ!徳永さん!!私の事は遊びだったの?」
「遊びも何も・・・俺たち付き合ってないじゃん。」
「どういう意味?!私と何回もセックスしたくせに!」
「あー・・・だから体だけの関係だって。気がついてよ。」
「嫌!絶対いや!私別れないんだから!」
「だから困るって。俺、結婚するんだってば。」
あー・・・そう言う事か・・・。
奈々子は今更気がついた。
ここ数年、幸雄と頻繁に連絡が取れなかったり、
会えなかったのは浮気していたからだったんだ。
裏切られて悲しい訳でもない、怒りが湧いてくる訳でもない、
すでに奈々子にとってはもう、どうでもいい事だった。
奈々子は颯爽とした足取りで彼らに近づいた。
女の子が奈々子に気がつき、自分の方に向かってくることに気がつき、威嚇してくる。
「あんた、何よ?」
「あなたこそ誰・・・?」
聞き覚えのある声に、幸雄が凍ったような顔で振り返る。
「なっ、奈々子!」
女の子は幸雄の腕を掴んで叫んだ。
「あんた、誰よ?!徳永さんは私の彼よ!もう3年も付き合ってるんだからっ!!!」
「おい、やめろ!!離せ!!!」